aggregateとは、集めるとか、総計いくらになる、という意味である。アグリゲーターとは、集める人(事業者)ということになる。では、何を集めるのか。最近の電力産業の世界では、ネガワット(電力用語辞典「ネガワット」参照)を集める事業者を「アグリゲーター」と呼んでいる。

 ネガワットは、電力の需要と供給を一致させる効果として、供給力(発電所から送り出す電力)と等価であるため、電力会社がネガワットを買うという取引が米国などで活用されている。ネガワットを発生させる主役は、比較的大規模な電力のユーザー(例えば、ホテルや大学、工場、病院などの施設)である。ただ、個々のユーザーが発生させるネガワットは、さほど大きいわけではない。また、ユーザーにはそれぞれの事情があるので、いつでも、ネガワットを発生させられるわけでもない。

 そこで、これらネガワットを発生させ得るユーザーを予め多数取りまとめて事前に契約し、電力会社が必要となったタイミングで、それらのユーザーの中から最適な組み合わせを選んで、必要なネガワットを発生させる事業が成り立つ。これをアグリゲーターと言い、ネガワットの売却益を、協力してくれたユーザーに配賦し、一部を自身の利益にする。

 アグリゲーターが対象とするユーザーは法人が一般的だが、一部には個人ユーザーまでも対象とする事業者が存在する。また、電力会社とアグリゲーター間のネガワット売買は、電力取引市場を介して行われることが多い。