米ファーストソーラー社がヨルダンで稼働した52.5MWのメガソーラー「Shams Ma’an」
図1 米ファーストソーラー社がヨルダンで稼働した52.5MWのメガソーラー「Shams Ma’an」
(出所:First Solar)
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「Shams Ma’an」はヨルダンの電力の約1%を賄う
図2 「Shams Ma’an」はヨルダンの電力の約1%を賄う
(出所:First Solar)
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 米ファーストソーラー(First Solar)は10月9日、中東のヨルダンで出力52.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)の稼働を開始したと発表した(図1)。

 このメガソーラーは「Shams Ma’an」プロジェクトと呼ばれ、所有者は、Diamond Generating Europe Ltd.など3社の投資家からなるコンソーシアムである。ヨルダンで発電や配電などの事業を担うNational Electric Power Company (NEPCO)と20年間の電力購入契約(PPA)を締結している。

 ファーストソーラーは、同プロジェクトの早期から深く関わり、太陽光パネルの供給だけでなくEPC(設計・調達・施工)業務にも携わった(関連記事1)。同社の「Series 4」薄膜パネルを約60万枚設置した。

 架台には1軸追尾式を採用しており、固定式架台よりも最大で約20%まで発電量が向上するという。一年間に1億6000万kWhの電力量を生み出し、ヨルダンの総設備容量の約1%を賄うと見込まれている。これは同国の3万5000世帯分の電力に相当するとしている(図2)。

 「Shams Ma’anメガソーラー」の建設においては地元での雇用を重視し、ほぼすべての施工をヨルダン人が担った。トレーニングだけで4万人・時間以上の工数を費やし、同国における人的資源のスキル向上に貢献したという。

 同プロジェクトにより、ファーストソーラーが中東に供給した設備容量の合計は70MW以上になったという。アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイの「Rashid Al Maktoumソーラーパーク」第2期工事が2017年に完成すると、さらに200MWが追加されることになる。

 ファーストソーラーは、低コストで製造可能なカドミウムテルル(CdTe)化合物型太陽電池の製造に強みを持つ(関連記事2)。近年は米国内だけでなく、中東やトルコ、インドなど新興市場でも事業展開しており、数十MW規模のメガソーラー・プロジェクトを今後も積極的に進めるとみられる(関連記事3)。