発電コストは化石燃料全般の火力発電や原子力発電と同等か安い
発電コストは化石燃料全般の火力発電や原子力発電と同等か安い
First Solar社が2016年3月8日付けで公開した「SUSTAINABILITY REPORT」で明らかにした、電力量1kWh当たりの発電コスト比較。First Solar社の太陽光発電システムのコストは右端
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 米国の太陽電池メーカーであるFirst Solar社は、現在の同社の太陽電池を用いた太陽光発電施設の発電コストが「化石燃料など由来の発電コストに対してコスト競争力を持つ水準になった」と、同社が2016年3月、出版した「ファースト・ソーラー、2015年 サステナビリティ・レポート」で明らかにした。

 具体的には、同社の大規模太陽光発電システム(メガソーラー)の1kWh当たりの発電コストは、「5~12米セント」(First Solar社)で、米国における同約6~15米セントの石炭由来の火力発電や同約9~12米セントの原子力発電、同6~8米セントの天然ガスを用いたコンバインドサイクル発電とほぼ同等。日照量などの条件の良い場所では、それらを超える低コスト化を実現できるとする。

 First Solar社の太陽電池はCdTe型と呼ばれ、環境に有害なカドミウム(Cd)やテルル(Te)を含む。同社は同レポートの中で、パネル中のCdTe層が3μ厚と非常に薄く、使用量が少ない上に、化合物のCdTe自体は安定な材料であること。そして、パネル製造中の材料管理は徹底し、発電を終えた製品を引き取り、新製品に再生するリサイクルサービスも提供することで、環境汚染の心配を極力小さくしていることなどを訴えている。