ファースト・ソーラーが建設したメガソーラーの例(出所:ファースト・ソーラー)
ファースト・ソーラーが建設したメガソーラーの例(出所:ファースト・ソーラー)
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 米国の大手太陽光パネルメーカーのファースト・ソーラーは8月4日、ヨルダンに建設する出力52.5MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「シャムス・マアーン(Shams Ma’an)」のEPC(設計・調達・施工)サービスを提供する契約を締結したと発表した。

 シャムス・マアーンは、ヨルダンのカワール・グループとファースト・ソーラーが、共同でプロジェクト開発を担った。

 ファースト・ソーラーは、ヨルダンの発電・送配電会社であるヨルダン国営電力(NEPCO)と20年間にわたる電力購入契約(PPA)を締結し、プロジェクトの開発に貢献したと強調している。

 ファースト・ソーラーは、ヨルダンの再生可能エネルギー分野における追加対外投資支援へのコミットメントの一環として、投資コンソーシアムに、プロジェクト開発事業者の持ち株を売却することを決定した。

 同コンソーシアムには、三菱商事の子会社であるダイアモンド・ジェネレーティング・ヨーロッパ(Diamond Generating Europe)、カタール発電・造水会社の子会社であるネブラス・パワー(Nebras Power)、カワールが参画する(関連記事)。売却の条件は非公表としている。

 発電開始後は、ファースト・ソーラーが長期間、O&M(運用・保守)を担う。

 シャムス・マアーンは、中東において最大規模のメガソーラーとなり、エネルギー安全保障の強化を目的とした、ヨルダンのエネルギー・ポートフォリオの多様化戦略において重要な役割を担う。

 南ヨルダンにおける「マアーン開発地区計画(Ma’an Development Area initiative)」の一環として、2015年初頭に建設を開始する予定で、建設中に500人の雇用創出を見込んでいる。

 発電開始は2016年の予定で、稼働後はヨルダンにおける年間電力供給量の約1%に相当する、年間1.6億kWhの発電量を見込んでいる。

 ファースト・ソーラーによると、ヨルダンは高温の地域であり、同社のカドミウムテルル型太陽光パネルを使うことで、高温環境下では出力が下がる性質をもつ結晶シリコン型パネルに比べて、最大8%多く電力を発電できるとしている。

 さらに、ファースト・ソーラーの1軸太陽光追尾装置を使うと、固定設置した場合に比べて、20%以上多く発電できるという。