4月14日夜以降の「熊本地震」では、熊本県を中心に、甚大な被害が生じている。震度7をはじめとする強い揺れが続いたことで、住宅やビル、道路などの倒壊や損壊、土砂崩れによる被災も相次いでいる(図1)。震度7の地震に2度も襲われた益城町において、現地の太陽光発電システムの現状を実見した(取材日は4月27日)。

図1●熊本城も大きな被害を受けた
図1●熊本城も大きな被害を受けた
石垣や建築物が倒壊・損壊した。4月27日に撮影(出所:日経BP)
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 熊本県には、他の九州の地域と同じように、多くの太陽光発電所が立地する。熊本地震の発生後、運営している太陽光発電所の状況を発表した企業もある。

 九電工、自然電力、日本アジアグループ、SBエナジー、スパークス・グループ、アストマックスなどで(関連ニュース1同ニュース2同ニュース3)、調整池などの付帯設備に損傷が生じた例はあるものの、すでに補修するなど、おおむね大きな被害が生じていないとしている。

 熊本県で複数の太陽光発電所を運営している、ある発電事業者によると、地震の後、停電や安全装置が働いたことなどにより、パワーコンディショナー(PCS)の稼働が止まった発電所もあった。こうした発電所でPCSの稼働を復旧させた後は、熊本県内のすべての太陽光発電所で、正常に発電を続けているという。

 また、益城町で出力約47MWのメガソーラーを施工中のカナディアン・ソーラーは、工事を中断するとともに、同町に支援物資として太陽光で充電するLEDライトを提供したことを発表した(関連ニュース4)。