registration, evaluation and authorization of chemicals

 2007年に欧州連合(EU)で施行され,2008年に運用開始予定の化学物質に関する規制のこと。欧州で流通する製品に含まれる,約3万種類の化学物質の毒性情報などの登録・評価・認定を産業界に義務付ける。これは安全性が確認されていない化学物質を市場から排除していこうという考えに基づく。詳細はまだ確定していないものの,化学物質の製造・輸入業者だけでなく,電機メーカーにも大きな負担が掛かる可能性が高い。例えば,製造・輸入業者が実施した安全性評価の想定とは異なる用途で電機メーカーがある化学物質を使用した場合は,その利用条件における安全性の評価を行うのは電機メーカー側になる。

 予防原則の観点に立って,健康と環境を有害物質から保護することを目的とする。予防原則とは,科学的な因果関係が十分証明されていない状況下でも,人の健康や環境に重大で不可逆的な影響を及ぼす場合に規制措置を可能にする考え方のことをいう。

図 電機メーカーを襲うREACH
図 電機メーカーを襲うREACH(日経エレクトロニクス2006年3月13日号より抜粋)