電子部品などが含有する有害物質の排除を求めたRoHS指令の施行を2006年7月に控え,製造現場は最後の詰めに追われている。このRoHS指令の次にエレクトロニクス・メーカーが直面するであろう環境対策事項としてささやかれている物質がある。揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compounds)だ。

 VOCは常温で揮発しやすい有機化合物の総称で,ホルムアルデヒドやキシレンなどがある。建物の内部にいる人が頭痛や目まいなどの症状を起こす「シックハウス症候群」の一因として,注目を集めるようになった。エレクトロニクス機器では,筐体内部の温度が高まることで樹脂や接着剤が含むVOCが揮発し,健康に被害を与えることが懸念されている。