RoHS指令が目前に迫ってきた。ここ数年,対応に右往左往してきた電気・電子機器業界は一時の混乱状態から脱し,2006年7月の施行に向けて落ち着きを取り戻しつつある。中でも,各機器メーカーが異なる内容のグリーン調達を要求することで部材メーカーの業務量が膨大になる状況を改善したのが,グリーン調達調査共通化協議会(JGPSSI)が2003年7月末に運用を始めた含有物質調査の共通フォーマットだった。

 このJGPSSIが,新たなフォーマットの運用を開始した。調査対象物質ごとに規定される化学物質の含有率(ppm)がしきい値を超えていないかどうかの判定をY/Nで書き込む必要があるなど,「従来の最大の課題だったRoHS指令への適合が分からない点を改善した」(JGPSSI 議長で,キヤノン グローバル環境推進本部 環境統括・技術センター 副所長の古田清人氏)。基本的には,欧米の業界団体と連携して発行したガイドライン「JIG(joint industry guide)」に対応している。