UltraVioletが目指す体験
UltraVioletが目指す体験
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 デジタル・コンテンツ配信の標準化団体であるDigital Entertainment Content Ecosystem LLC(DECE)は,デジタル・コンテンツの著作権保護方式「UltraViolet」(Tech-On!関連記事その1その2その3)の初期技術規格が完成したと発表した(PDF形式の発表資料)。「2011 International CES」に併せて開催した報道機関向けのイベントで,DECE,General ManagerのMark Teitell氏が「これで,UltraVioletの第1世代の製品を動作させることが可能になる」と述べた。

 報道機関向けのイベントで,DECEのメンバー企業である大手家電小売店の米Best Buy Co., Inc.や米Fox Filmed Entertainment社,米Microsoft Corp.,米NBC Universal社,米Neustar社,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.,米Sony Pictures Home Entertainment社,米Warner Bros. Digital Distribution社の担当者が舞台に上がった。「基本的にデジタル・ファイルを購入するという体験を,消費者にとって,現在より魅力的なものにする必要がある。UltraVioletにより,これをもっと簡単にできると思う」(Warner Bros.社)。

 現状で,UltraVioletが目指しているのは,動画コンテンツのデジタル・ファイル中心のデジタル・コンテンツの権利情報を管理する「digital rights locker」サービスや異なる端末で再生することが可能な「common file format」の構築である。これにより,ユーザーが保有する動画コンテンツのファイルをWeb上で永久に保存できるようになり,UltraViolet対応の端末で自由に再生できる。

 今回の規格の完成により,DECEはUltraViolet対応のコンテンツ製品が2011年中旬に出荷されると期待している。パソコンやスマートフォンなどに向けたUltraViolet対応のソフトウエアは2011年末までに公開する予定である。UltraViolet対応の家電製品は2012年初頭から販売が始まるもようという。

 UltraVioletのコンテンツは個人だけでなく,家族でも保有できるように設計されている。このため,同一コンテンツは6人や12個の機器まで登録できる。