音楽や動画などデジタル・メディアの取得・視聴に関する標準仕様策定に向け,大手メディア企業など21社が業界団体「米Digital Entertainment Content Ecosystem LLC (DECE)」を設立した(発表資料)。

 DECEは,ユーザーが各種サービスによってデジタル・メディアを取得して再生する際に,所有する機器のメーカーや符号化方式/DRMの差異などにとらわれずに,コンテンツを楽しめるようにするための,業界標準策定を目指す団体。現行の標準仕様(符号化方式やDRM方式など)を組み合わせて,フレームワークとして提示する。DECEに準拠する機器であれば,関連するコンテンツを取得したり再生したりできるようにすることを目指している。

 DECEは21の企業で構成する。家電メーカーではオランダRoyal Philips Electronics N.V.やソニー,東芝である。コンテンツ企業では米Fox Entertainment Groupや米Lions Gate Entertainment社,米NBC Universal, Inc.,米Paramount Pictures Corp.,米Warner Bros. Entertainment Inc.である。そのほか,フランスAlcatel-Lucent社や米Best Buy Co., Inc.,米Blueprint Digital Group Inc.,米Cisco Systems, Inc.,米Comcast Corp.,米Dolby Laboratories, Inc.,米Hewlett-Packard Co.,米Intel Corp.,米Microsoft Corp.,米Motion Pictures Laboratories, Inc.(Movie Labs),米Recording Industry Association of America(RIAA),米Verimatrix, Inc.,米VeriSign, Inc.である。

 DECEでは,ユーザーにわかりやすいようなブランドやロゴを制定し,関連する機器やサービスに利用していく方針だ。例えば,ユーザーがDECEのロゴを付された動画コンテンツのファイルをダウンロードした場合,同ロゴを搭載した機器を使うことで,同ファイルを再生できる。符号化方式やDRM技術などの知識を持たないユーザーでも,自在にデジタル・メディアを再生できるようにする環境を構築する狙いがある。DECEが策定する標準仕様の詳細は,2009年1月8日~11日に米ネバダ州ラスベガスで開催予定の「2009 International CES」で明らかにする予定という。