「UltraViolet」のロゴ
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同ロゴを説明するWebサイトのスクリーン・ショット
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 デジタル・コンテンツ配信の標準化団体であるDigital Entertainment Content Ecosystem LLC(DECE)(Tech-On!関連記事その1その2)は,コンシューマ向けの新しいデジタル・コンテンツの著作権保護方式の名称を「UltraViolet」に決めたことを明らかにした(PDF形式発表資料)。同団体は,コンテンツの権利情報を管理する「digital rights locker(DRL)」サービスを含むデジタル・コンテンツ配信向けの標準仕様を策定している。同団体の調査によると「UltraViolet」は消費者に良い印象を与えられる名称であるとともに,「個人的には『Blu-ray』と『UltraViolet』という呼び名は相性が良いと思っている」(DECE,President兼米Sony Pictures Entertainment社,CTOのMitch Singer氏)。

 ブランド名と同時に,DECEは,韓国LG Electronics,Inc.,および動画配信を手掛ける英LOVEFiLM International Ltd.,米Marvell Technology Group Ltd.の3社が同団体に会員として加わったことを発表した。現在,合計58社が同団体に参加している。

 2010年1月頃に,DECEは標準仕様を2010年前半に完成するという計画を発表していた。今回の発表で,標準仕様の完成は2010年後半になることを明らかにした。標準仕様の完成とともに,この期間中にライセンス料金を定め,かつDRLのバックエンド・システムの試験運営も開始する予定という。

 現在,DECEは主にデジタル動画のファイル用途のDRLや標準フォーマットの策定に力を入れている。こうした技術を採用したシステムが登場すると,例えばBlu-ray Discに収められた動画ファイルを別の端末で再生するために,異なるファイルをダウンロードする権利をユーザーに与える,といった可能性がある。同団体の会員企業である大手ケーブル・テレビ事業者の米Comcast Corp.は,現時点ではUltraVioletの採用を正式に表明していない。しかし,同社が運営するWebサイトでは動画のダウンロード・サービスを提供しており,「UltraVioletを採用すると,こうしたサービスのユーザーに価値観が向上する」(同社,Strategic Planning,Senior Vice PresidentのMark Coblitz氏)としている。