富士通は2009年11月12日，NTTドコモ向け2009年冬～2010年春モデルの携帯電話機4機種についての説明会を開催した（Tech-On!の関連記事1）。「現在の携帯電話機の国内市場は非常に厳しい。そんな中，今月は2007年秋から（NTTドコモで）導入された割賦販売から2年が経過し，契約の縛りが解ける。今回の新製品をテコに，販売の大きな起爆剤にしたい」（富士通 執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ長の佐相秀幸氏）という。
富士通が市場投入するのは「F-01B」「F-02B」「F-03B」「F-04B」の4機種である。これら4機種に共通した強化ポイントとして，（１）カメラ機能と（2）防水・防塵機能の二つを挙げる。
（1）のカメラ機能については，F-01BとF-03B，F-04Bの3機種は1220万画素，F-02Bは810万画素のCMOSカメラを搭載する。「ケータイにどこまでカメラの機能を搭載するかには賛否両論がある。我々も最初はかなり戸惑いながら，カメラ機能を強化してきた。ただし最近のユーザーにとって，ケータイでのカメラ撮影はかなり定着している。だったら，ちゃんとやろうと踏ん切りをつけた」（富士通 執行役員 モバイルフォン事業本部長の大谷信雄氏）という。
（2）の防水・防塵機能については，F-01BとF-02B，F-03Bの3機種が，IPX5/IPX7/IPX8等級の防水機能やIP5X等級の防塵機能を備える。「防水機能のリーディング・カンパニーとして，世界で通用する機能の追及を図っていく」（富士通の大谷氏）という。
端末ごとの独自機能として，F-01Bは携帯電話機に内蔵したセンサで取得した情報を基にユーザーのゴルフ・スウィングを診断するアプリケーション「ETGAスウィングレッスン」を搭載する。同社はこの技術を2009年10月に開催された「CEATEC JAPAN 2009」で披露していた（Tech-On!の関連記事2）。
F-02Bは，お気に入りの香水を電池カバーに搭載した「フレグランスチップ」に振り掛けることができる端末。香水にはアルコールが含まれるほか，極秘の成分が多く含まれるため，「そのまま使うと電池カバーが破損してしまうので，一時あきらめかけた」（同社の大谷氏）という。このため，電池カバーの材料には耐腐食性の高い材料を用いたほか，フレグランスチップには香水の香りを維持できるよう多孔質セラミックスを採用したという。ファッション・ブランド「Folli Follie」とのコラボレーション・モデルも用意する。
F-03Bは，上記のカメラ機能と防塵・防水機能を備えながら厚さ13.9ｍｍを実現した。“プレミアム・モデル”として，筐体にTi（チタン）やAu（18金）を使用するモデルも用意する。価格については「通常モデルに比べて数千円高い程度」（同社の説明員）という。
F-04Bは「セパレートケータイ」の名を冠しており，ディスプレイ部とキーボード部を分離できる（Tech-On!の関連記事3）。オプションとなる「プロジェクターユニット」を接続すると，携帯電話機に格納された映像や画像データを投射することも可能だ。説明会では，今後のオプションとして“スキャナー”“プリンター”“ゲーム・コントローラ”“キーボード（ピアノの鍵盤）”を披露した。ただし，製品化時期については「まだ何も決まっていない」（同社の大谷氏）という。
