グラフィックス処理回路も搭載した「Intel System Controller Hub」(左)と,マイクロプロセサの「Intel Atom Processor」(右)。
グラフィックス処理回路も搭載した「Intel System Controller Hub」(左)と,マイクロプロセサの「Intel Atom Processor」(右)。
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Atomを見せるインテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏
Atomを見せるインテル 代表取締役共同社長の吉田和正氏
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 米Intel Corp.は2008年4月2日,東京都内で記者会見し,同3月3日に発表した同社の低消費電力マイクロプロセサ「Intel Atom」とそのチップセットについての詳細,および2008年夏からそれらを搭載した端末「Mobile Internet Device(MID)」などが登場することを明らかにした(上海でのIntel Developer Forum Spring 2008での発表についての記事)。

 Atomは,最大1.86GHzと高速動作でありながら,消費電力が2.4W以下と小さいことが特徴のマイクロプロセサ(関連記事1)。3月初めの時点で既に,松下電器産業やウィルコムが対応端末を発表済みである(関連記事2関連記事3)。

 今回の会見では,さらに多くの対応端末やOSの発表があった。クラリオンや富士通,東芝は,Atom搭載の小型モバイル端末を参考出展した。クラリオンの「Mobile Internet Navigation Device(MiND:開発コード名)」は,無線LANやBluetooth,第3世代携帯電話機能の他にモバイルWiMAXにも対応する予定だという。ソフィアシステムズもAtom搭載端末のハードウエアとソフトウエアの両方の開発キット「Peartree」を発表。ターボリナックスは,Atom対応のLinux OSを開発すると表明。ベータ版を公開した。ミラクル・リナックスは,同社のMID向けLinux OS「Asianux Mobile Midinux」の開発キットを2008年6月に提供開始すると発表した。

 また,NTTドコモ,日本でモバイルWiMAXの事業を開始予定のUQコミュニケーションズ,そしてウィルコムといった移動体サービス事業者も登壇し,Atomについての期待について述べた。中でもウィルコム 代表取締役社長の喜久川政樹氏は,2007年5月にIntel社と会合を持ち,「世界最速でAtom搭載端末を発売することで合意していた」ことを明らかにした。

ポケットに入るかどうかで区別

 会場からは,Atomとチップセットを合わせた消費電力についての質問があった。これについてインテルは「Atomとチップセットを合わせて1Wぐらい」とした。

 Atomを搭載したMIDとウルトラモバイルPC(UMPC)との違いについては,「MIDの条件は,Atomを搭載していること,そしてポケットに入る大きさであること」(インテル)などを挙げた。画面サイズなど寸法に対する仕様の規定はないという。