テーマサイト「ものづくりとIT」で,2007年に最もアクセス数が多かったのは,中村超硬が展示会に出展したメイドフィギュアに関する記事だった。ナノテク関連という「硬い」展示会とは正反対の,「メイド」「フィギュア」という「軟らかい」キーワードが読者の目をひいたようだ。だが,メイドはあくまで展示会の来場者を引きつけるための仕掛け。技術面では3次元計測器,モデリングツール,3次元プリンタといった先端の3次元ツールを活用している。技術を分かりやすくアピールするという点では面白い試みだ。
▼ 2007年「ものづくりとIT」記事ランキング
順位 記事タイトル 日付 1 【nano tech】中村超硬がメイドさんとそのフィギュアをアピールする理由 02/24 2 どの手ブレ補正が効くの? 電通大が成果発表 06/13 3 画像で結果を見る検索エンジン,ホンダやキヤノンなど大手が次々採用 01/19 4 手ブレ補正の効きを簡単に定量化,電通大と船井が開発 01/29 5 【人とくるま展】LEDランプでは熱シミュレーションが不可欠,市光工業が展示 05/24 6 コクリエイト,無償3次元CADの日本語版の提供を開始 02/27 7 NEC,パソコンの異音を全数検査 08/06 8 日本の製造業の強みは「あきらめないこと」,東工大の松澤氏が指摘 02/09 9 ソリッドワークス,3次元CAD「SolidWorks」の新版2008を発表 07/05 10 【DMS展】丸紅ソリューション,大型立体映像投影システムを初公開 06/27
電通大の手フレ補正に関する記事が,2本もアクセスランキングの10位内に入っているのも興味深い。3位の検索エンジンの記事,7位のNECのパソコン全数検査の記事も含め,デジタルカメラやパソコンという身近な機器に関する技術に対する関心の高さが伺える。
そのほか,3次元化に関する記事への関心も相変わらず高い。コクリエイトの無償版や「SolidWorks」の新版など,3次元CADの記事がランクインしている。特に今年は,米PTC社からスピンオフしたメンバーが作ったノンヒストリ3次元CAD「SpaceClaim」が登場したり,PTCが独CoCreate社を買収したりして,ノンヒストリCADが注目を浴びた年だった。SolidWorksの新版も「Instant3D」と呼ぶノンヒストリCADのようなモデリング機能が特徴の一つだ。ノンヒストリCADを再評価するようなこうした動きの中で,2008年以降のベンダー,ユーザーの動向が注目される。