厚さが20cmまでの敷布団に対応する
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左からコントローラとセンサー・マット
左からコントローラとセンサー・マット
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睡眠の質を点数で評価
睡眠の質を点数で評価
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脈拍数と呼吸数,体の動きに分離
脈拍数と呼吸数,体の動きに分離
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 タニタは,眠りの深さや状態を定量的に評価する睡眠計測システム「SLPモニター」を開発した。まずは医療機関や介護施設,運送業界などに向けて,2007年7月25日に52万5000円で販売を開始する。その後,3年後をメドに価格を約1/10に下げた一般家庭向け製品を投入する予定である。

 SLPモニターは,センサー・マットとコントローラで構成する。センサー・マットを寝具の下に敷いて就寝すると,センサー・マットで捕らえた圧力の変化を,コントローラに設置したコンデンサ・マイクロホンで感知する仕組みである。圧力変化の情報は,コントローラで脈拍数と呼吸数,体の動きに分離する。
 これらの情報に,睡眠時間や寝つき時間,途中で目覚めた回数などの情報を加味して,睡眠の質を点数で評価する。「センサーなどの計測システムは,ライバル・メーカーもほぼ同じ。データの解析で独自性を出している」(タニタ)とする(関連記事1関連記事2関連記事3関連記事4)。日々の記録は,コントローラ部分に14日分保存できるほか,USBメモリーを使ってパソコンに取り込むことができる。

水がフィルタとして機能


 センサー・マットは,精製水を入れて封止してあるのが特徴である。空気を封入するのに比べて感度が下がるため,雑音を除去する効果があるという。「水がフィルタとして働くことから,圧力変化の情報から脈拍数や呼吸数に分離するフィルタの設計が容易になった」(タニタ)。精製水が漏れたり蒸発したりするのを防ぐために,マットを構成する素材の厚さを増したり,形状を工夫した。

 一般家庭向けにコストを削減する手段としては,コントローラ部分を簡素化することを考えているという。現在コントローラ部分で行っている処理を減らして,ネットワークを介した処理に切り替えることで実現する。家庭に睡眠計測システムが普及すれば,体組成計や歩数計などのタニタの家庭向け製品と連携して,質の高い睡眠を取れるようにアドバイスすることなどが可能になる。

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