睡眠時無呼吸症候群の治療装置「オートセットC」
睡眠時無呼吸症候群の治療装置「オートセットC」
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 帝人ファーマは,持ち運びが可能な睡眠時無呼吸症候群の治療装置「オートセットC」を発売した。睡眠時のデータなどを記録できるカードを搭載した治療装置としては,世界最小になるという。健康保険が適用されるため,ユーザーは医療機関を通じて月額5000円程度でレンタルできる。開発と製造は,オーストラリアResMed社が担当した。

 睡眠時無呼吸症候群の潜在患者数は,人口の2%程度存在するという。国内では200万人程度となるが,睡眠時にマスクを着けて空気を送り込む治療(CPAP治療)を受けている患者数はわずかに7万人超と推定されている。患者の多くは40代~50代の男性であり,多忙などの理由で治療を継続して受けられない点が課題だった。

 今回帝人ファーマは,同社従来品に比べてCPAP治療装置の体積を1/3程度(外形寸法:112mm×164mm×145mm),質量を1/2程度(質量:1.3kg)と小型・軽量化した。旅行や出張時に持ち運びやすい大きさにすることで,治療を継続して受けられる患者の裾野を広げる。自動車のシガーライターから電源を得ることもでき,車内で仮眠する際にも利用できる。睡眠時のデータなどはICチップを搭載したカードに記録できるため,診察時にはカードを持参すればよい。

 帝人ファーマでは,睡眠時無呼吸症候群の診断・治療装置の市場が2009年には150億円になると予想しており,そのうち50%超のシェアを目指すという。