最近、にわかに非ノイマン型コンピューティングの話題が増えてきた。
Microsoft社やBaidu社などが検索エンジンの能力強化を狙って、FPGAを処理エンジンに使った新しい仕組みのコンピューターを利用するようになった。組み込みの分野でも、車載機器では先進運転支援システム(ADAS)などへ、産業機器ではモーター制御などで、マイコンに代えてFPGAを用いる例が登場している。さらに、これまで幾度かのSCR大喜利のテーマで話題に上がってきたように、IBM社が非ノイマン型の半導体チップ「SyNAPSEチップ」を開発している。同社は、ビッグデータ時代を支えるコグニティブコンピューティングの中核を占めるデバイスと位置付けている。
現在のICTシステムの多くは、ノイマン型コンピューターをベースに作られている。そして、数多くのエンジニアやプログラマーが、ある時はシステム開発者の立場から、ある時はシステムユーザーの立場から、当たり前のようにノイマン型コンピューターと向き合って仕事をしている。今にわかに台頭してきた非ノイマン型コンピューターが、今後どのように発展していくのか。仕事の大前提が変わる可能性がある多くのエンジニアにとって、無関心ではいられない。
今回のSCR大喜利では、「突然訪れた非ノイマン型コンピューターの時代」と題し、こうした一連の動きの先にある半導体業界の変化について考えることを目的とした。回答者に投げかけた質問は以下の3つ。
【質問1】
現状のノイマン型の応用システムの多くは、今後次々と非ノイマン型に代わっていくのか。それとも応用は特定分野に限定されるのか?
【質問2】
非ノイマン型コンピューティングの発展の恩恵を受けるのは、どのような分野・業種の企業、どのような分野・職種のエンジニアか?
【質問3】
非ノイマン型コンピューティングの発展で不利益を受けるのは、どのような分野・業種の企業、どのような分野・職種のエンジニアか?
回答者は以下の通り。
服部 毅氏
服部コンサルティング インターナショナル
「手段は多種多様、応用は適性を精査せよ」参照
和田木哲哉氏
野村證券
「技術の進化はIoTの発展と共に」参照
田口眞男氏
慶應義塾大学
「寵児FPGAに接近する黄昏の巨人の思惑」参照
いち半導体部品ユーザー
某ICT関連企業
「人工知能を手放しで歓迎してよいのか」参照
南川 明氏
IHSテクノロジー
「コンピューターの進化は新たなステージに」参照