「突然訪れた非ノイマン型コンピューターの時代」と題したSCR大喜利。さまざまな分野で同時に技術開発と応用が進んでいる非ノイマン型コンピューターの動きから想像される半導体業界の変化とその方向性について考えることを目的としている。今回の回答者は、某ICT関連企業のいち半導体部品ユーザー氏である。
某ICT関連企業
【質問1の回答】非ノイマン型の応用は特定分野に限定されるし、また限定されるべきである
古くから研究されて来たニューラルネットと量子コンピューターが、急速に実用化が進んできている。技術的な応用は人工知能と考える。人工知能自体の応用分野は単純に考えると非常に広く、全ての機器に応用されノイマン型に代わって行くことは容易に想像できる。
遠い将来は実際にそうなるかも知れない。しかし、その前に解決すべき課題は多々あると考える。ここまで広まっているノイマン型システム、半導体部品などを代えるのに時間を要すること、まだ非ノイマン型の演算性能は低く改善が必要なことなどである。さらに法律を含む何らかの制限が特に必要になると考える。制限を設けるということは技術的発展に影響するかも知れないが重要である。
パソコンやスマートフォンはそれぞれのOSがあり、インターネットやキャリアの仕組みに準拠しなければならないといった縛りもある。それ以前に、人が使い易い技術を追求するという技術開発の大前提が、大きな縛りとなっている。自動車の開発も法律を順守するという縛りの前に、人が扱いやすい製品を追求するという縛りがある。
人工知能の開発では、こうした縛りが大きく変わってくるはずである。人の使い易さを必ずしも前提にする必要がないからだ。人工知能の応用例である人工知能を搭載したドローンを考えると、いまのまま実用化が進んでしまうと非常に危険な状況が予想される。ドローン以外も同様と考える。まずは人工知能を応用する制限や仕組み(ルール)の構築を最優先すべきであり、結果的には応用分野は限定されることになると考える。
しかし、量子コンピューターなど非ノイマン型はまだ未知の部分が多く将来予測は難しい。