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日本のソフト軽視はいつまで続くのか

ハードが強すぎた日本が乗り越えなければならない「慣性の法則」

竹内 健=中央大学教授
2013/09/30 17:15
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 ITやエレクトロニクスの分野ではハードとソフト、サービスが融合して来ていることは、GoogleやAmazon.comが自社設計のハードウエア端末を提供していることや、AppleがハードだけでなくiTuneやSiriといった特徴あるソフトを活かしたサービスで大きな収益を上げていることからも明らかです。

 このコラムでも再三、アメリカ企業の動向を取り上げながら、ソフトとハードの融合の重要性を述べてきました。
「Appleが半導体ベンチャーの買収を狙うわけ」
「GoogleやFacebookがハードに進出する時代とは」
「HDD事業を売却しサービスに特化したIBMがSSDメーカーを買収するわけ」
似て非なる「AmazonのTIのCPU事業買収」と「国内10社のルネサス出資」

 製造業で苦境に陥る企業が多く出ている日本には、今でも材料やデバイスなどのハードに強みを持つ企業や研究機関はたくさんあります。しかし、韓国や台湾などの企業の台頭により、ハードだけで長い期間にわたって優位性を保つのは難しくなっている。

 このままソフト軽視が続き、日本のハードの強みを生かせないのは、もったいないことです。日本のハードが生き残るにはソフトを強化する必要があるのですが、言うは易し。

 私が産学連携の研究の現場で実感しているのは、産官学いずれにおいても、予算権限を持つトップの階層では、いまだにソフト軽視の風潮が抜け切れない。

「目に見えないソフトはわかりにくい」
「ソフトは簡単にコピーされるのではないか」
「ハコモノの設備の方が投資しやすい」
「モノじゃないと、偉い人は理解できない」
「組織のトップがハード出身だから、ソフトは好きではない」
「ソフトはどうせアメリカに負けるのではないか」

 日々、ビッグデータのデータ処理システムの研究を推進するために、ハードとソフトの融合の重要性を産官学の様々な機関に訴えている時に、こうした反応に愕然とすることが多いのです。ハード事業においてもソフトが重要であることを、どうしたら理解してもらえるのか、途方に暮れながら説得に歩く日々です。

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