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似て非なる「AmazonのTIのCPU事業買収」と「国内10社のルネサス出資」

サービス・ソフト・ハードの融合にはユーザー企業の覚悟も試される

竹内 健=中央大学 理工学部教授
2012/10/22 14:31
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 先週、オンライン書籍販売の米Amazon.comが米Texas Instruments (TI) のCPU事業の買収を検討中という報道がありました。なぜ、AmazonにCPUというハードウエアの事業が必要なのか、驚いた方も多いと思います。

 報道内容の真偽はわかりませんが、私はAmazonがTIのCPU事業を買収する可能性は十分にあると考えています。というのも、Amazonのような、ネットを使ったサービスの差異化のカギは、サービスと、ソフト、ハードの融合。

 スマートフォンやタブレットなどの携帯端末では、デザインやOSなどのソフトウエアが重要なのは言うまでもありませんが、CPUやフラッシュメモリ、液晶パネルといった部品の性能が端末の性能を決めます。

 iPhoneやiPadを販売するAppleは2008年にCPUの設計を手掛けるPA Semi、昨年にはフラッシュメモリコントローラを設計するAnobitを買収しました。iPhoneなどの販売で絶好調のAppleでも、CPUまで自社で設計することで、更に差異化をはかる戦略でしょう。Appleの戦略に関しては「Appleが半導体ベンチャーの買収を狙うわけ」(関連記事1)をご覧ください。

 Amazonは電子書籍の端末Kindleを開発、販売し、AppleのiPadと競合しています。今回のTIのCPU事業の買収検討は、携帯端末の強化という意味もあるでしょう。

 また、スマートフォンやタブレットに関しては、SamsungなどのAndroid陣営とAppleの間で特許紛争が激化しています。AmazonがAppleの次の標的になる可能性もあるでしょう。Amazonはハードウエア分野の知財力の強化のために、TIの携帯端末に関する特許の獲得を狙っているのかもしれません。

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