創刊300号で「人工知能」を特集

日経エレクトロニクス表紙

 創刊300号に当たる9月27日号では,人工知能を特集した。人工知能の概論に始まり,その応用である「エキスパート・システム」,人工知能システムのソフトウエアに向けたプログラム言語などについてまとめた。

 アモルファスSiについての特集は,この年に読者の評価が高かった記事の1位,最も読まれた記事の3位になった。当時アモルファスSiは,電卓などに向けた太陽電池として普及しつつあり,撮像素子や液晶ディスプレイの薄膜トランジスタに使うための研究開発が進んでいた。評価が高かった記事の3位は,チップ部品の激増を取り上げた記事。当初は機器を薄く,小さくするために導入されたチップ部品が,実装工程を自動化する目的で爆発的に広がりつつあることを示した。読まれた記事の2位は,諏訪精工舎(現・セイコーエプソン)が開発した腕時計型液晶テレビの記事。表示面積は25mm×17mm,画素数は152×210。価格は10万円前後で1982年末の商品化を狙っていた。この年,ソニーは世界初の家庭用CDプレーヤーを16万8000円で発売。わずか数年で価格は1/2以下となり,広く普及した。

1982年に読まれた記事 BEST 3
  1. 技術速報(12月20日号)
  2. 液晶テレビを組み込んだ腕時計を年内に商品化(7月5日号)
  3. アモーファス・シリコン(12月20日号)
1982年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. アモーファス・シリコン(12月20日号)
  2. 人工知能(9月27日号)
  3. アセンブリ革命を引き起こす,リードのない小型部品(2月1日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

―― 【次回】1983年:DESとRSA ――