パソコンに注目集まる,Shockley氏の論文が好評

日経エレクトロニクス表紙

 この年,パソコンに注目が集まった。きっかけは米Apple Computer社が「Apple II」を発売したことなど。この製品は,演算装置や外部記憶装置,入出力装置をパッケージ化していた。日本製カラー・テレビが貿易摩擦を引き起こしたのもこの時期である。米ITC(International Trade Commission)は1977年,関税の引き上げを勧告。それを受けて日本側が米国向け輸出を3年間自主規制した。

 読者の参考になった記事の1位は,「エレクトロクロミック・ディスプレイの動作原理と開発の現状」。このディスプレイは,電源を切っても表示が長時間保たれるなど,現在の電子ペーパーに通じる特徴があった。2位の「接合型トランジスタ発明までの道(連載第2回)」は,かのWilliam Shockley氏が執筆し,米IEEE Transactions on Electron Devices誌が掲載した論文の翻訳記事。Shockley氏は,第二次世界大戦前後の研究ノートを詳細に見せながら,試行錯誤を振り返っている。読者に最も読まれた記事である3月21号の技術速報には,「フォトダイオードとCCDから成る1,728絵素1次元センサをサンプル出荷」といった記事が並んでいた。

1977年に読まれた記事 BEST 3
  1. 技術速報(3月21日号)
  2. 新製品:国内(3月21日号)
  3. 新製品:海外(3月21日号)
1977年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. エレクトロクロミック・ディスプレイの動作原理と開発の現状(2月21日号)
  2. 接合型トランジスタ発明までの道(連載第2回)(6月13日号)
  3. 選択範囲がますます広がるメモリー(4月18日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

―― 【次回】1978年:ICの信頼性 ――