記念すべき創刊年,電算機自由化を展望

日経エレクトロニクス表紙

 成田新空港を巡る反対闘争が激化した1971年4月,日経エレクトロニクスは創刊された。この年読者に最も読まれた記事の1位と2位は,10月11日号の「海外技術速報」と6月7日号の「技術速報」。前者には,世界一速いコンピュータを米社が受注した記事や,英国の大学によるメモリ機能を備えたディスプレイの記事がある。後者は,電電公社の新型テレビ電話機や,日立製作所のコア・メモリ自動設計システムなどの話題を取り上げた。

 読者が最も参考になったと評価した記事は,8月16日号のニュース解説「自由化後の電算機戦線を展望する」。突然決まった,民生用ICや周辺機器を含む「電算機」の資本/輸入の自由化措置を巡る意見をまとめた。2位は,9月13日号のニュース解説「プラズマ・ディスプレイ,米国最先端の開発状況」。プラズマ・ディスプレイの研究開発で,当時世界を先導していた米国での最新動向を報告した。11月8日号のニュース解説「理論値の限界に迫る高性能乾電池」も,参考になった記事の第3位と注目を集めた。容量がマンガン乾電池の4倍ないし10倍あり,理論的限界に迫る新型乾電池を解説した。

1971年に読まれた記事 BEST 3
  1. 海外技術速報(10月11日号)
  2. 技術速報(6月7日号)
  3. 技術速報(6月21日号)
1971年に評価が高かった記事 BEST 3
  1. 自由化後の電算機戦線を展望する(8月16日号)
  2. プラズマ・ディスプレイ,米国最先端の開発状況(9月13日号)
  3. 理論の限界に迫る高性能乾電池(11月8日号)

「読まれた記事」「評価が高かった記事」は読者アンケートの結果による

本記事は,2006年7月に発行した日経エレクトロニクス創刊35周年特別編集版「電子産業35年の軌跡」から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります

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