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5回目の開催、セミコン会場に定着――The高専@SEMICON Japan 2012報告

田中 直樹=日経エレクトロニクス
2013/02/18 07:00
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 高等専門学校(高専)などの学生が自分たちの研究成果を、半導体製造の専門展示会「セミコン・ジャパン」の会場で発表する企画「The高専@SEMICON Japan」。協力企業が自社ブース内のスペースを提供し、そこで学生たちが専門展示会に訪れた国内外の来場者に向けて、自分たちの研究内容を説明する。2008年のスタートから回を重ね、2012年12月5~7日の「セミコン・ジャパン 2012」では5回目の開催となった(第1回第2回第3回第4回のレポート)。今ではすっかり定着し、学生たちの展示の前で足を止め、熱心に質問や助言をする来場者も多い。

 今回も前回に引き続いてプレゼンテーション大会を実施し、学生たちに、研究内容を言葉や実演で相手に伝える機会を設けた。プレゼンテーション大会以外の時間も、学生たちはブースを訪れた人に研究成果をアピールしたり、質問に答えたりする。今回はこのような時間を十分に確保することを優先し、プレゼンテーション大会の聴講と評価は協賛企業に任せ、学生が自分たちの研究内容の説明に専念できるようにした。

 5回目の開催となった今回は、全9校が参加した。大阪府立大学工業高等専門学校、香川高等専門学校、熊本高等専門学校、高知工業高等専門学校、東京工業高等専門学校、八戸工業高等専門学校、舞鶴工業高等専門学校、松江工業高等専門学校、水戸第二高校の9校である。以降では、各校がThe高専@SEMICONのブースで披露した主な展示内容を紹介する。

大阪府大高専の展示
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 大阪府立大学工業高等専門学校は、燃料電池を搭載する鉄道模型車両を実演展示した。同校は、電化区間では電解装置により水素を生成・貯蔵しながら走行し、非電化区間では貯蔵した水素を用いて燃料電池で発電し走行する燃料電池電車のシステムを提案している。水の電解装置と燃料電池を組み合わせてシステム化したときに生じる問題点の抽出を目的として、実際に水素生成しながら燃料電池による発電電力によって走行する鉄道模型車両を開発した。

香川高専のブース
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 香川高等専門学校は、非常に高い熱伝導性を持ったグリスの開発と、ティンパニのチューニング・アダプタの開発について、展示した。グリスは、CPUやLEDと放熱部分を接続する材料としての用途が期待されているが、まだ要求されている熱伝導性は得られていないという。同校は、グリスの添加剤を工夫して熱伝導性を高めた成果について発表した。一方、ティンパニのチューニング・アダプタは、PVDF圧電フィルムを使用して、簡単にチューニングできるようにしたものである。

熊本高専のブース
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 熊本高等専門学校は、表面プラズモン・センサによる溶液や気体の濃度測定について発表した。エタノールや水素といった溶液や気体の濃度を、表面プラズモン・センサを利用して、短時間で測定する。これを実機によってデモンストレーションした。測定状況と結果を、液晶モニタ上で確認できるようにした。

高知高専のブース
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 高知工業高等専門学校は、低抵抗酸化亜鉛薄膜を使った紫外線センサやガス・センサの開発について発表した。酸化亜鉛薄膜は、UVCの波長領域(280nm未満)まで感度を持つ紫外線センサとして、またガス・センサの材料として期待されている。また、膜状であるため製造コストが低く、汎用性が高いという特徴も併せ持つ。同校は、このようなセンサの実用化のための開発を進めている。

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