広大な幕張メッセの全館,端から端までどこに行ってもスーツ姿の“おじさん”の群れ――。筆者もその中の一人だったわけだが,そんな半導体製造装置・材料の展示会「セミコン・ジャパン2008」(12月3日~5日)の会場で,みずみずしい“若い息吹”に触れることのできる場所があった。東京エレクトロンが中心となり,半導体製造装置メーカー4社が今回初めて企画した「The高専@SEMICON」である。

 今回は,製造装置メーカー4社が高等専門学校(高専)4校にそれぞれ特設ブースを提供し,高専の学生が“実社会のおじさん達”に向けて研究成果を展示した(Tech-On!関連記事)。出展社の説明員も来場者も中高年男性がほとんど,しかも世界的な景気低迷で浮かない顔のおじさんが多い中で,20歳前後の若者が意欲的な研究成果を披露している光景は異彩を放っていた。展示内容はいずれも若者らしいアイデアにあふれた技術や研究成果である。おじさん達に向けて熱心にしっかりと説明する学生の奮闘ぶりも好感を呼び,初めての試みにもかかわらず数多くの来場者が足を止めていた。

 今回の「The高専@SEMICON」には,上述の通り,高専4校が参加した。高知高専,苫小牧高専,熊本電波高専,松江高専の4校である。それぞれの高専に,東京エレクトロン,大日本スクリーン製造,フジキン,荏原製作所の4社が特設ブースを提供した。

 本連載では,「半導体製造装置メーカーが語る企画の意図」,「セミコンの舞台に立った学生の奮闘」,「今回の企画の源となった福島県の工業高校の取り組み」を,順に紹介する。