太陽光発電や再エネ電力を対象とした自治体主導の「共同購入」が拡大の兆しを見せている 。自治体が市民に声をかけ、販売数量をまとめることで、安価に購入できるようにする仕組みだ。自治体が関わる共同購入は、現時点ではオランダ発のサービス事業者、アイチューザー社の独壇場だ。

(出所:PIXTA)
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 自治体が手がける再生可能エネルギーに関する共同購入事業は、2019年5月にスタートした神奈川県を皮切りに、続々と増えている。

 神奈川県は、太陽光発電設備の購入を対象としている。さらに、2020年4月には大阪府と大阪市、5月からは京都市が、太陽光発電に蓄電池を加えた共同購入の参加者募集を開始した。

 また、2019年12月から東京都が、2020年1月から吹田市が、再エネ電力を対象とした共同購入事業を開始している。さらに7月からは、東京都と神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の首都圏5都市が連携して、再エネ電力の共同購入事業をスタートさせた。

 現時点では、国内で自治体が関与する共同購入事業のすべてにおいて、アイチューザー(東京都品川区)が共同実施者(支援事業者)に選定されている。アイチューザーは2008年にオランダで設立された共同購入支援を手がける企業で、これまでにオランダやベルギーなど欧州各国で自治体などと共同購入事業を展開してきた実績がある。

 具体的には、入札の実施や市民からの問い合わせなど、共同購入に関わる様々な業務を一手に引き受ける。自治体が関与する共同購入は、2017年11月のアイチューザーの日本法人設立を契機ににわかに拡大しつつあるのだ。

 自治体は共同購入事業に、再生可能エネルギーの導入補助金や普及啓発策に変わる手法として期待を寄せている。一方、市民にとっては、行政主導の取り組みは安心感があり参加しやすく、共同購入によりコストを抑えられるメリットもある。

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