再生可能エネルギーで地域振興を実現しようとする自治体や地域の企業は、2020年度以降に実施される電力制度改正の内容をチェックしておくべきだ。再エネ電力の地域利用を促進する可能性のある措置が盛り込まれている。
 ただ、事業化には相当な時間を要する内容もある。制度改正の内容をきちんと理解せずに飛びつくと、思わぬ痛手を被りかねない。前回に引き続き、再エネで地域振興を志す方に向けて解説する。

(Adobe Stock)
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 人口消滅、産業の空洞化などにより、多くの地方は危機感を強めている。こうした中で豊富な再エネ資源を活用して地域活性化に結び付けようとする考え方が出てきた。また、政府は、巨大台風などの大規模災害により停電が発生する頻度が増えたことで、災害時でも電力供給が維持できるようレジリエンス対策を強化しようとしている。

 政府は2月25日、「強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」を閣議決定し、通常国会に提出している。

 この法律案には、電気事業法やFIT法など複数のエネルギー関連の法律が含まれている。具体的には、送配電会社の法的分離、FIT制度見直し、容量市場の開設をはじめとして多くの制度改正が2020年度以降に実施に移される見通しだ。

 そこで今回は、再エネ電力を活用した地域振興を目指す地域が、今回の制度改正をどう読み解くべきかを解説したい。

 2020年制度改正のうち、地域振興への寄与が期待できるのは、フィードインプレミアム(Feed-in Premium: FIP)制度、アグリゲーター事業の容認、計量法改正、そして配電事業のライセンス制だ(表1参照)。順に見ていこう。

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