中国の太陽光パネルメーカー大手であるインリー・グリーンエナジーは11月3日、政府による「太陽光貧困撲滅プロジェクト」向けに38.4MW分の太陽光パネルを供給すると発表した。

 河北省張北県にある128戸の低所得村落向けに、それぞれ300kWの分散型太陽光発電所を1カ所で建設する。同プロジェクト全体では、発電所が完成すると1万カ所以上の低所得村落が売電収益を得られるようになるという。

 同プロジェクトに関してインリーは、14万枚以上の太陽光パネルを受注した。供給するパネルのうち、約1万枚は両面発電や12本バスバーといった最新技術を採用したものという。追尾式架台を採用し、発電量を底上げする。系統網への接続は、2017年第4四半期を見込む。

 「太陽光貧困撲滅プロジェクト」は、「トップランナー・プログラム」と共に中国の太陽光発電市場の需要を下支えする要因となっており、2018~2020年の中国における年間の太陽光パネルの需要は15GWに達する可能性が高いという(関連記事1)(関連記事2)。

 インリーは債務超過のため、実質的に経営破たん状態にあると市場や関係者は見ているが、清算や法的整理といった状況には至っていない(関連記事3)(関連記事4)。太陽光貧困撲滅プロジェクトやトップランナー・プログラムなど政府による太陽光パネルの需要刺激策は、同社に対する救済措置といった側面もあるとみられる。