中国の太陽光パネルメーカー大手であるインリー・グリーンエナジー・ホールディングは12日、子会社のBaoding Tianwei Yingli New Energy(Tianwei Yingli)社が、同日が期限だった中期社債(mid-term notes)の償還分14億元、または昨年10月13日が期限だった中期社債の償還分10億元の残債を返済しなかったと発表した。

 同社によると、いずれの中期手形の所有者を含む債権者もTianwei Yingli社または同社に対して、ただちに何らかの行動を起こしていない模様。Tianwei Yingli社は、現在も、両社債の返済期限の再延長に関して債権者との協議を継続している状態にあるという。

 同社は両社債の返済のために資金繰りの様々な代替手法を模索しているとする。具体的には、同社および子会社に対する戦略的な投資家や新規に融資を付与してくれる債権者の導入、土地使用権などを含む長期保有資産の売却などを挙げている。

 同社は昨年10月の時点でも社債の返済不履行となり、支払い期限の延長を債権者側に認めさせていた経緯がある(関連記事)。

 同社グループは、債務超過のために実質的に経営破たん状態にあると市場や関係者の多くからは既に認識されている。同社が清算や法的整理といった事態にまで至らないのは、中国当局の方針なども影響していると見られる。