電機・IT業界で農業事業にかかわる例が相次いでいる。大手では、ソニー(関連記事「ソニーのITによる農業革命、虫や鳥も味方に」)、デンソー(「車載空調技術や工場の制御技術を農業で活用」)、東芝(「そこはまるで半導体工場でした」)、NEC(「NECがオランダ社と組みIT農業、世界で販売へ」)、パナソニック(「「半導体工場は植物工場に向かない」パナソニックが講演」)、日立製作所(「エレ技術を農業に生かす、大手電機・クルマが続々参入」)、富士通(「富士通、施設園芸の分野で農業ベンチャーと協業」)、NTTドコモ(「水田センサーを全国へ、ドコモがIT農業事業を加速」)、ソフトバンク(「IoTで農業支援システム、インフラ向け高信頼技術使う」)などがそれぞれ事業化している。

 このほど富士電機とウシオ電機は、パプリカの施設園芸事業に参画することを明らかにした。清水建設などとともに、北海道釧路市でパプリカ栽培事業を手掛ける「北海道サラダパプリカ」に共同出資する。北海道サラダパプリカは、長野県のパプリカ農業法人の信州サラダガーデンが釧路市の支援を受けて2015年3月に設立した事業会社。富士電機は同年8月に出資済み、ウシオ電機と清水建設は10月27日に出資した。

 国内のパプリカ市場では、年間消費量の3万7000トンのうち約90%を輸入品が占めるという。より新鮮、安全、安心な国産品を求める消費者の根強い声があるとみて、北海道サラダパプリカは潜在需要を開拓する狙い。パプリカ栽培に適した釧路の冷涼な気候を利用して、通年にわたって高品質なパプリカを生産・販売していく。