ソニー子会社のソニーコンピュータサイエンス研究所(ソニーCSL)が、農業に革命をもたらす研究を進めている。既存の農法は地球環境に過大な負荷をかけるために人類を養うことはできないとみて、持続可能な新農法を世界に広める意向だ。
ソニーCSLが対象としている農業は「協生農法」に基づく。共生農法とは、多種多様な植物がそれぞれの特性を生かして共生することで生態系を最適化させる栽培方法である。栽培の過程では、無農薬として、無施肥・無耕起にもする。種を蒔いたり苗を植えたりする以外には、可能な限り人工的な管理工程が入り込まないようにする。
既存の多くの農法は、基本的には単一品種の生産性を最大化するために他の植物は排除する。育成に必要な養分は肥料として人間が与える。空気や水など、地球環境の一部の循環機能と共存しているに過ぎない。余分な肥料や農薬は土壌に残り、地下水流などから環境を汚染することがある。
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