ランキング・トップ10の約半分、5本の記事が2016年7月11日に掲載が始まった「値付けのひみつ、教えます。」からでした。この特集では、インターネットの登場で価格情報があふれる時代において、低価格化競争に巻き込まれることなく、ブレない価格戦略を推し進めて成功する企業の事例を紹介しています。
2位の「3割高くても売れる工作機械は、いかにして生まれたか」では、工作機械メーカー安田工業の取り組みを同社代表取締役社長の安田拓人氏が語ります。「価格差以上の価値をユーザーが実際に感じられなければ、どれだけ加工精度が高くても、受け入れてもらえないはずだ」という安田氏の言葉には、売上高やシェアが大きくなくとも、業界で高い評判を得ている同社の自負がうかがえます。
読者からも、「中小企業が生き残る上での1つの選択肢を実例として示している。企業として、関わる人や関連する企業などが報われる実例となっており、素晴らしい」というコメントが寄せられていました。同社の考え方や取り組みが参考になる日本のものづくり企業は多いのではないでしょうか。
この他、3位の「ガリガリ君値上げ秘話、10円の駆け引きが生死を分ける」は赤城乳業、7位の「辛口マニアの心つかむ超高級ヘッドホン、業界不文律を脱却」はスタックス、9位の「“販売中止”乗り越え年間3億個、ブラックサンダーの引力」は有楽製菓、10位「世界の愛好家から絶大な支持、純正品を超えたレコード針」は日本精機宝石工業の取り組みを紹介します。単に高い商品をいかにして売るかという話だけでなく、20年以上も30円という価格を守り抜いたブラックサンダーのような事例もあります。いずれも、各企業の信念を感じさせられる事例でした。