「協働ロボットを納入した時の現場の雰囲気。それは『使えない新人が来たな』というものでした」――。
取材中、ある協働ロボットメーカーが製品納入時のことをそう語ってくれました。教示がしやすくなった、操作性を工夫したとはいうものの、生産現場に新しい設備を入れるのに、大変な手間を必要とします。そのため、協働ロボットの受け入れをまだ歓迎していない現場も少なくないようです。ただ現在、労働人口の減少や多品種少量生産への対応などの課題を乗り越えるためにも、この「新人」を育成していく必要があります*(関連記事:協働ロボットで進める「軽薄短小」、 安全に対する考え方も深化)。
ユーザー側のメーカーもそういった課題を踏まえて、協働ロボットをかなり使いこなし始めています。筆者も取材を通して協働ロボットの活用事例を聞いたのですが、治具やセンサー、人材の配置などの工夫にただただ驚かされてしまいました。きっとそういったカイゼン活動が可能なのも、今まで現場で蓄積してきた生産技術の積み重ねがあるからでしょう。(関連記事:事例1「ファナック」、事例2「日立アプライアンス」、事例3「資生堂」)
「日本の生産現場は、非常にレベルが高い」。協働ロボットメーカーは口をそろえて、そう言っていました。協働ロボットが活躍するのには、まだ育成が必要です。しかし、この「新人」はきっと日本の職場で「職人」を目指して育っていってくれるでしょう。
今回、いくつか協働ロボットの動画を掲載しました。ロボットの動きなどに関心がある方は、2ページ目からぜひご覧になってください。