GNU General Public License Version 3

 オープンソース・ソフトウエア向けのライセンス方式である「GNU General Public License」の第3版。米Free Software Foundation (FSF)が2007年6月に公開した。GPLv2を公開した1991年以来,およそ16年ぶりの全面改訂となる。ただしGPLv3はGPLv2を置き換えるものではなく,どちらのライセンスも利用可能である。

 GPLv3は,「ソフトウエアを自由に利用できるようにする」というGPLv2の基本精神を引き継ぎながら,GPLv2では時代遅れになった部分,特に新技術への対処やソフトウエア特許への対抗を盛り込んだ。またライセンスとしての完成度を高めるため,米国著作権法に依拠しない文言を使って国際化し,同時により法的に精緻にした。

 オープンソース・ソフトウエアの開発プロジェクトの多くが,既にGPLv3への対応を表明している。例えば,ファイル・サーバー用ソフトウエアの「Samba」や,顧客関係管理(CRM)ソフトウエア「SugarCRM」などがGPLv3に対応する。ただし,GPLv3に否定的な立場をとるLinus Torvalds氏が手掛けるLinuxカーネルは,GPLv2で配布され続ける可能性が高い。

表1 GPLv2とGPLv3の相違点(日経エレクトロニクス2007年8月13日号より抜粋)
表1 GPLv2とGPLv3の相違点