IEEE802委員会のなかで,移動体も含めた高速大容量の無線データ通信の規格作りを目指す作業部会,またはその規格のこと。通称は「MBWA(Mobile Broadband Wireless Access)」。

 IEEE802委員会がIEEE802.20を設けたのは,2003年1月のことである。「IEEE802.11」が無線LANなどの構内通信を扱い,「IEEE802.15」がUWBやBluetoothなどの近距離通信を扱うのに対し,IEEE802.20は広域の移動体データ通信の規格を策定するという位置づけだ。

 ただし,固定無線アクセス向けの規格だった「IEEE802.16」を移動体通信向けに拡張した「IEEE802.16e」(通称:モバイルWiMAX)の策定も進んでおり,用途においてIEEE802.20との競合が予想されている。

図 MBWAとモバイルWiMAXの比較
図 MBWAとモバイルWiMAXの比較 (日経エレクトロニクス2005年12月19日号より抜粋)