近接無線規格「TransferJet」の普及促進を進めるTransferJetコンソーシアムは、2012年2月27日から開催される「Mobile World Congress 2012」において、ソニーが先ごろ発表した小型の送受信ICと、村田製作所が発表した小型送受信モジュールを、展示会場でそれぞれ披露する。TransferJetコンソーシアムが、MWC開催前日の報道陣向けイベントで明らかにしたもの。
ソニーが発表した新型IC「CXD3271GW」は、6mm×6mm×0.72mmで96端子の「WFLGA」に封止している。SDIO 3.0に対応することで、内部転送速度が高速化し、実効的な最大データ伝送速度を従来品よりも高められるという強みがある(Tech-On!の関連記事)。会場では従来品と比較しながら、小寸法をアピールするという。また村田製作所の小型送受信モジュール(外形寸法が5.3mm×5.3mm×1.0mm)に関しては、「ここまで小さな送受信モジュールができると、端末への搭載がグンと現実味を帯びてくる。この小ささはかなりインパクトがあるはずだ」(TransferJetコンソーシアムの関係者)と、スマートフォンやタブレット端末搭載への期待を述べた(Tech-On!の関連記事)。
TransferJetコンソーシアムのブースではこのほか、東芝が試作したTransferJet対応タブレット端末や、ソニーが試作したスマートフォンなどを出展し、大容量の動画ファイルを簡易に無線でやりとりできる様子を示すという(Tech-On!の関連記事)。ブース担当者は「大容量ファイルを自在にやりとりできることをアピールして、端末への採用につなげたい。2013年度末ごろまでには、搭載機が登場するのではないか」と、普及への期待を込めていた。