図1 VAIO Zの光インタフェースは、GPUや光ディスク装置などを搭載した「Power Media Dock」と本体を接続するために利用される。右がPower Media Dock。(写真:ソニー)
図1 VAIO Zの光インタフェースは、GPUや光ディスク装置などを搭載した「Power Media Dock」と本体を接続するために利用される。右がPower Media Dock。(写真:ソニー)
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図2 ドックが収納された銀色の袋が見える。
図2 ドックが収納された銀色の袋が見える。
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図3 ドックを収納していた袋を撮影しなおしたもの
図3 ドックを収納していた袋を撮影しなおしたもの
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 2011年夏,待望の“アレ”が編集部にやってきた。光伝送技術を搭載したソニーのノート・パソコン「VAIO Z」である(図1)。薄く,軽いという点もさることながら,最大の特徴は光伝送技術を採用したこと。ノート・パソコンと、専用の外部機器「Power Media Dock」(以下、ドック)を接続するインタフェースに光伝送技術を用いた。

 光伝送技術は業務用ストレージ装置やスーパーコンピュータの基板間接続などに利用されてきたが、コストが高くなることから、民生機器での採用は進んでいなかった。民生機器において,音声データをやりとりするためにプラスチック光ファイバを使った低速の光伝送技術が採用された例はあるものの、高速な光伝送技術が採用されるのはVAIO Zが初めてである。

 となれば,内部を見てみたくなるのが人情。そこで日経エレクトロニクス分解班は,さっそく発売直後のVAIO Z(Core i3モデル、3G通信機能なし)とドック(DVDモデル)を入手した。

表面に説明書き


 はやる気持ちを抑え,配送されてきたVAIO Zの箱をさっそく開く。まずは箱から説明書類を,次にVAIO Z本体を取り出す。すると見慣れない銀色の袋が目に飛び込んできた(図2)。この中にドックが収納されているようだ。袋の表面には,なにやら説明書きが記してある。どれどれ…

 その内容を読んでみると,ドックと本体を接続した後,取り外す際の手順が記載してあった(図3)。所定の作業を終えてから,光インタフェースのケーブルを本体から外すように細かく指示が書いてある。

 光インタフェースのケーブルはドックと一体となっているため,ケーブルを取り外す箇所は,本体側の光インタフェース用コネクタとケーブル先端を接続した部分だけとなる。本体側のコネクタに搭載されているのが,受け側のコネクタ(以下,レセプタクル)で,ケーブル先端に搭載されているのが,挿入側のコネクタ(以下,プラグ)である。

 VAIO Zをドックと接続すると,ドック内のGPUを演算処理に利用できる。この処理中にケーブルが外れてしまうとハングアップなどが発生する恐れがある。そこで,所定の手順を踏んだ後,ケーブルを外すようにしてある。この手順が,袋の表面に記載してあったのだ。ずいぶんと慎重な扱いである。

 ドックが収納された袋からは,光インタフェース用のケーブルが出ており,直接箱に収納してある。その様子を見て違和感を覚える。なんだろう…
――続く――

VAIO Zの分解/分析の詳細は日経エレクトロニクス10月3日号と,10月7日開催のセミナーで紹介する予定です