図1 行列に並びながら,3DSの体験コーナーを撮影。同コーナーはブース内から区切られた小高い場所にある。
図1 行列に並びながら,3DSの体験コーナーを撮影。同コーナーはブース内から区切られた小高い場所にある。
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 世界最大級のゲームの展示会「2010 Electronic Entertainment Expo(E3)」(6月15~17日,米国ロスアンゼルス開催)で,任天堂は携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS(スリーディーエス)」を初めて一般公開した(Tech-On!の関連記事1Tech-On!の関連記事2)。展示会場では、裸眼での3次元(3D)映像表示に対応した3DSの立体表示性能はいかなるものかと,多くの来場者が列をなした。3Dゲーム好きの筆者も体験すべく,その列に並んだ(関連ブログ)。

 列は長い。ぞっとするほど長い。係員に聞いてみると,「3DSで遊べるまで? そうだなあ,40分くらいかな」。本当ですか? 行列には慣れているため,実際にはもっとかかるだろうと感じていた。以前,別の係員に聞いたときには2時間くらいかかるかも,とおっしゃっていましたぞ。まあぱっと見て,少なくとも1時間くらいかかりそうかな。そうあきらめ半分で並んだところ,実際に40分くらいで触ることができた。列はなかなか動かないが,一度動き出すと一気に動くのだ。それはなぜか。

 あらかじめ3DSに多くの人が集まることを予想してか,ブース内で3DSの体験コーナーだけ,特別に区切られていたのだ(図1)。警戒も強固で,隙を付いて割り込もうとする人を決して許さない体制となっている。この体験コーナーに一度に数十人ごと入れ,20分ほど経過したら,まるごと入れ替えるようにしている。そのため,列が進むときは一気に進むのである。

 待ち望んで並んだ後に入る体験コーナーは楽園に見える(図2)。はやる気持ちを抑え,コーナーを見回す。コーナーの中では,3Dのデモ映像の視聴や開発中の3DS対応ゲームのデモ・ゲーム,カメラ機能を使ったAR(augmented reality,拡張現実感)ゲームなどを楽しめるようになっている。E3開催初日に開かれた報道機関向けの説明会では,3Dのデモ映像しか視聴できなかった。

 正確には数えていないが,体験コーナー内には80台ほどの試遊用の3DSがある。各3DSに1人,お姉さんが付いている。もちろんユーザーが変なこと(盗難や分解など)をしないように監視するためだ。

やさしくレクチャー


 さっそくカメラ機能を用いたARゲームのコーナーへ。お姉さんに遊び方をたずねると,
「まず,Aボタンを押して。次に(内側の)カメラを見つめて。そして,(上側筐体の)画面に丸いしるしが出るから,それにあなたの目を合わせてね。あと,画面中にある横線にあなたの口を合わせて」と笑顔でやさしく教えてくれる。なんだか出張中の孤独感が癒されるなー。

 さて,さっそく3DSの内側のカメラを見つめると,上側筐体の画面に私の顔が映っており,その画面中に確かに白い丸が二つと横線が1本表示されている。お姉さんの指示に従い,それぞれのしるしに目と口が合うように本体を動かす。合った瞬間,自動的に私の顔の写真が撮影され,その写真をベースにして丸い立体のキャラクターが作られる。もちろんそのキャラクターは立体的に見える。

 準備が整いさっそくゲームがスタート。すると,今までの内側カメラの映像から,外側の3D撮影対応のカメラの映像に切り替わる。カメラが捉えたお姉さんの映像とともに,先ほど作った丸いキャラクターも同じ画面内に表示されている。おー。
 見とれているとお姉さんが,
「Aボタンを押してみて!」
 言われたとおり,Aボタンを押すと玉が出た。その玉を,先ほど作った丸いキャラクターめがけて投げる。当たると得点になる仕組みだ。このキャラクターは飛び回るため,なかなか玉が当たらない。
 
 時折,キャラクターが画面外に出てしまうことがある。そうした場合には,3DS本体を,そのキャラクターが移動した方向に傾け,移動したキャラクターを探す。再び画面内にキャラクターが現れたら,玉を当てる。おそらく3DSに搭載されたジャイロ・センサーやモーション・センサーを利用して動きを検出しているのだろう。こうした一連の動作が違和感なく行えることに少し感動を覚える。

 この感動を伝えたいと思い,写真を撮ろうとすると,
「ゲーム画面はダメよ。あくまでこれはデモなの。でも,これならオーケーよ」
と,いきなりのポージング。そして反射的にぱちり。写真には3DSとともにやさしい笑顔のお姉さんが写る(図3)。このカメラも3D対応だったらなあ。
  ―つづく―

図2 体験コーナーの中。一定人数しか入れないとはいえ混雑している。
図2 体験コーナーの中。一定人数しか入れないとはいえ混雑している。
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図3 お姉さんと3DS。惚れてしまいそうです。
図3 お姉さんと3DS。惚れてしまいそうです。
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