図1 女性の手にあるのが「ニンテンドー3DS(スリーディーエス)」
図1 女性の手にあるのが「ニンテンドー3DS(スリーディーエス)」
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図2 3DS本体
図2 3DS本体
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図3 3DSを持ち,登場する岩田聡氏
図3 3DSを持ち,登場する岩田聡氏
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図4 立体視の効果を制御するスライド・バー
図4 立体視の効果を制御するスライド・バー
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図5 アナログ入力が可能な「スライドパッド」
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図6 3D画像を撮影できる筐体外側のカメラ
図6 3D画像を撮影できる筐体外側のカメラ
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図7 3DS対応ソフトを開発中の企業
図7 3DS対応ソフトを開発中の企業
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 任天堂は,2010年6月15日(現地時間),「2010 Electronic Entertainment Expo(E3)」(6月15~17日,米国ロサンゼルス開催)の初日に開いた報道機関向け発表会において,裸眼での3次元(3D)映像表示に対応した携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS(スリーディーエス)」の詳細を明らかにした(Tech-On!の関連記事1)(図1,2)。発表会に登場した同社 代表取締役社長の岩田聡氏は,「我々は3Dをマスプロダクト化することにずっと取り組んできた。3DSがその答えだ」と同製品をアピールした(図3)。

 3DSは,従来機種と同様に上下二つの液晶画面を備える。上が裸眼立体視が可能な画面である。大きさは3.53型で,画素数は800×240。立体視する際には,横800画素を左目用と右目用にそれぞれ400画素ずつ割り当てる。下の画面はタッチ・パネル機能を備える。大きさは3.02型で,画素数は320×240。

 上側の3D対応画面にはタッチ・パネル機能を搭載しなかった。これは,指紋の汚れが画面に付くことで,3D映像の品質が損なわれる可能性があるからだ。上側の筐体の横には,立体視の効果を制御するスライド・バーを備えた。これを使うことで2Dと3Dの映像を切り替えられる(図4)。

3Dカメラやジャイロ・センサーなどを搭載

 新たな入力装置としては,360度のアナログ入力が可能な「スライドパッド」を導入した(図5)。例えば,3D映像を表示する視点をスライドパッドを使って変える,といったことができる。

 3D画像を撮影できるように,上側筐体の外側に2個のカメラを備える(図6)。上側筐体の内側にも1個のカメラを備えた。これらのカメラの解像度は,いずれも640×480。このほか,ジャイロ・センサーやモーション・センサーも内蔵する。

 なお,立体視可能な液晶パネルは,シャープ製の可能性が高い。シャープはこれまで,「ニンテンドーDS/DSi」向けに液晶パネルを供給してきた実績があるからだ(Tech-On!の関連記事2)。加えて,シャープは,デジタル・カメラや携帯電話機,携帯型ゲーム機などに向けた3Dカメラ・モジュールも開発済みである。3DSが搭載する3Dカメラもシャープ製の可能性がある(Tech-On!の関連記事3)。

 3DSでは無線通信機能も強化した。スリープ時に無線LANを通じて自動で,3DS同士でデータを交換したり,インターネットからデータを受信したりできるようになる。

 閉じた状態での外形寸法は,横約134mm×縦約74mm×厚さ約21mm。重さは約230g。この発表会では,3DSの発売日と価格は明らかにされなかった。

 現在,開発中の3DS対応ソフトとしては,「新・光神話 パルテナの鏡」や「nintendogs+cats」を発表した。このほか,多くのベンダーが3DS対応ソフトを開発中である(図7)。3DSでは,ゲームだけでなく3D対応の映画も視聴できるという。