ソフトバンクモバイルは2009年11月10日に,2009年冬~2010年春商戦に向けた携帯電話機18機種などを発表した(発表資料,図1)。「携帯電話機のブロードバンド化にはWi-Fi(無線LAN機能)対応が不可欠。数年後に『Wi-Fiがない端末は携帯電話機ではない』といわれる時代が来るのではないかと考え,戦略的にWi-Fi対応を始めた」(同社 代表取締役社長 兼 CEOの孫正義氏)とし,7機種の無線LAN対応携帯電話機をそろえた(図2)。
無線LANに対応する新機種は,(1)1210万画素のCCDカメラを搭載し,100枚の連写機能を備える「AQUOS SHOT 940SH」(シャープ製,図3),(2)4.0型でハーフXGA(1024×480画素)表示のタッチパネル・ディスプレイを搭載した「AQUOSケータイ FULLTOUCH 941SH」(同,図4),(3)折り畳み式の筐体のディスプレイ部が90度回転する「サイクロイド」機構を備える「AQUOSケータイ 943SH」(同),(4)折り畳み時の筐体の厚さが13.9mmと無線LAN対応機種の中で最も薄い「940N」(NEC製,図5),(5)折り畳み式の筐体が横向きと縦向きの両方に開き,ダイヤル・ボタン部をタッチパッドとして利用できる「941P」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製,図6),(6)4.1型でワイドVGA(800×480画素)表示のタッチパネル・ディスプレイを搭載するWindows Mobile 6.5採用の「X02T」(東芝製,図7),(7)QWERTYキーボードを搭載しながら重さが103.9gと軽量なWindows Mobile 6.5採用の「X01SC」(韓国Samsung Electronics Co., Ltd.製,図8),の7機種である。このほか,Androidを採用する無線LAN対応携帯電話機を2010年春に発売する計画であることも明らかにした(Tech-On!の関連記事1)。
同社は今回の無線LAN対応機種の発売日(11月中旬以降)に合わせて,携帯電話機を自宅の無線LANや公衆無線LAN経由でインターネットに接続できるようにするサービス「ケータイWi-Fi」や,ケータイWi-Fi向けのコンテンツ配信サービス「ケータイWi-Fiチャンネル」を開始する(Tech-On!の関連記事2)。
無線LAN対応機種以外としてソフトバンクモバイルは,手になじみやすい曲面形状の筐体を採用した「THE PREMIUM5 942SH」および942SHの「ハローキティ」モデルである「942SH KT」(いずれもシャープ製),カメラ機能が0.84秒で起動するスライド型の「940P」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製),3.5型の有機ELディスプレイを搭載する「OMNIA VISION 940SC」(Samsung Electronics社製),15色のカラー・バリエーションを用意した「COLOR LIFE 840P」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ製,図9),7色のカラー・バリエーションを用意した「Jelly Beans 840SH」(シャープ製)などを新たに発表した。これらのハンドセット型の端末のほか,ディスプレイを9.0型に大型化した通信機能付きデジタル・フォトフレーム「PhotoVision HW002」(中国Huawei Technologies Co., Ltd.製,図10),カナダSierra Wireless, Inc.製と中国Longcheer Technology (Shanghai) Co., Ltd.製の2機種のUSBドングル型データ通信端末も発表した。
孫氏は発表会において,「世の中には,ハイテクを極めたい人と,“ハイタッチ”(愛着)を求める人がいる。我々は,最もハイテクなものと,最もハイタッチなものという両側から品ぞろえを充実させていく」と説明。ハイタッチを追求した製品の例として,デザインや色にこだわったCOLOR LIFEやJelly Beansを挙げた。「これらの機種は間違いなくたくさん売れる。我々はたくさんのカラー・バリエーションを用意した『PANTONE』などで“シンプルだけど人気が出る端末”の勘所をつかんだからだ。今回はそのノウハウを結集し,主婦や若者などさまざまな層のユーザーが安心して使える機種として開発した」(孫氏)と,先端技術一辺倒の姿勢ではないことをアピールしていた。