富士通 執行役員上席常務 CFOの加藤和彦氏
富士通 執行役員上席常務 CFOの加藤和彦氏
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 富士通は2009年7月30日,2009年度第1四半期(2009年4~6月)の連結決算を発表した(プレス・リリース1)。売上高は前年同期比11.3%減の1兆443億円,営業損益は371億円の赤字,当期純損益は291億円の赤字となった。ただ,携帯電話機やパソコンの売り上げは堅調に推移しており,「2009年4月には営業損失500億円を想定していたが,赤字幅は減少した」(同社 執行役員上席常務 CFOの加藤和彦氏)。

 事業別に見ると,携帯電話機やパソコン,HDDを手掛ける「ユビキタスプロダクトソリューション」部門は売上高が同12.5%減の2378億円となるものの,65億円の営業黒字を確保した。SI事業やITインフラなどの「テクノロジーソリューションは,売上高6682億円,営業損益は153億円の赤字だった。論理LSIや電子部品を含む「デバイスソリューション」部門は,売上高1189億円,営業損益は155億円の赤字だった。

 同社は2009年度通期の連結業績予想を上方修正した(プレス・リリース2)。売上高は4兆8200億円で,営業利益は900億円,当期純利益は250億円と,2009年4月に公表した予想から売上高を200億円,営業利益を100億円,当期純利益を50億円引き上げた。営業利益増額の見通しは,デバイスソリューションの赤字幅が当初の150億円から50億円になることによる。半導体の受注は回復傾向にあり,工場は「夏休み返上で稼動するつもり」(同氏)。2009年第2四半期の工場稼働率は,第1四半期から20%程度引き上げる予定という。

 好調を維持する携帯電話機に状況は,「超繁忙。7月は在庫が無い状態」(同氏)で,8月以降も順調に販売台数が伸びれば「業績の更なる上方修正も考える」(同氏)とした。ただ,今後の業績予想については,記者発表会場に展示した「らくらくホン6」や「F-08A」といった防水ケータイを引き合いに出し,「水ものなので分からない」(同氏)と説明して会場の笑いを誘った(Tech-On! 関連記事12)。