スウェーデンのEricssonは現地時間2009年7月25日,カナダのNortel Networksから無線事業資産の一部を買収することで合意したと発表した。NortelのCarrier Networks部門が北米で展開しているCDMAおよびLTE(Long Term Evolution)技術関連事業を取得する。6月にフィンランドNokiaとドイツSiemensの合弁会社であるNokia Siemens Networksが同事業を買収することで合意していたが(関連記事:Nokia Siemens Networks,6億5000万ドルでNortelの無線関連事業を買収へ),より高い金額での買い手を求める入札を実施した結果,Ericssonが11億3000万ドル(負債を除く)で落札した。

 北米の大手通信事業者にCDMA技術と関連のサポート・サービスを提供している同事業部門を買収することで,Ericssonは北米で大幅な地位向上を狙う。

 Ericssonが取得する資産には,Nortelが同事業に関して北米の通信事業者と結んでいる契約,携帯電話向けの次世代通信規格であるLTE関連の各種資産,CDMAとLTEに関する一部の特許と特許ライセンスが含まれる。NortelのCDMA基地局を設置している顧客や,LTEへの移行を計画している顧客に対するサポートも引き継ぐ。同社に移管される事業部門の従業員は約2500人で,そのうち約400人がLTEの研究開発に関わっているという。

 Ericssonによれば,Nortelの北米CDMA事業は2008年に約20億ドルの収入を生み出した。一方,Ericssonの北米事業の売上高は,2008年に約27億ドルだった。Ericssonは北米市場での事業拡大に取り組んでおり,2009年7月に米Sprint Nextelと無線および有線ネットワーク・サービスの運用・保守などについて7年の長期契約を結んでいる(関連記事:Sprint,ネットワーク運用でEricssonと7年間契約)。

 Nortelは2009年1月にカナダと米国で破産保護を申請し(関連記事:加Nortel社が事実上の経営破綻,米連邦破産法11条の適用を申請),事業ごとの売却を進めている。

 2009年2月には,レイヤー4~7スイッチ製品の一部資産を米Radwareに売却する計画を発表した(関連記事:Nortel,レイヤー4~7スイッチの一部資産を売却へ)。

 また,企業向けソリューション事業売却で米Avayaと合意したことを7月20日に発表している(関連記事:Nortel,企業向けソリューション事業の売却でAvayaと合意 )。

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