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HOMEエレクトロニクス機器 > 「受信確認メッセージを不可能にはしない」,B-CASに替わる新方式についてデジコン委の主査が発言《訂正あり》

「受信確認メッセージを不可能にはしない」,B-CASに替わる新方式についてデジコン委の主査が発言《訂正あり》

  • 山田 剛良=日経エレクトロニクス
  • 2009/07/06 21:39
  • 1/1ページ

河村委員「新方式にはいわゆる『限定受信』の機能が入るという意味か。受信確認メッセージの表示には,機器をアイデンティファイする技術が必要になるはずだ」。

村井主査「こことは別の場で議論されている受信確認メッセージの表示が,最初から不可能になるような仕様にはしないと技術WGで議論した」。

 地デジのコンテンツ保護方式の改善――いわゆる「B-CAS見直し」に取り組んでいる「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委)」(情報通信審議会の下部組織)の第57回会合が2009年7月6日に開かれた。デジコン委では前回までの会合で,地上デジタル放送向けのエンフォースメント手段として,従来のB-CAS方式に加えて,「技術開示方式」と呼ぶ新たな手法の導入を決め,年内を目処にその仕様策定とライセンス発行・管理機関の設置を終えるスケジュールを確認し,報告書に盛り込むと決めている(Tech-On!関連記事)。

エンフォースメントとは「ダビング10」などのコンテンツ保護ルールを受信機メーカーに遵守させるための手法を意味する。新方式を技術開示方式と呼ぶのは,契約したメーカーに対して暗号鍵などの技術情報を開示するため。従来のB-CAS方式では,暗号鍵データはセキュアなICカードに収める形で配布されていた。

今回の会合は同日午後の情報通信政策部会で報告予定の,中間答申案の内容を確認するのが主な目的だった(「中間答申 骨子(案)」PDF書類「中間答申(案)」PDF資料)。ところが会議は今回もかなり紛糾した。消費者系の委員から,「受信確認メッセージ」機能の扱いやライセンス発行・管理機関について質問が相次いだからだ。

 「受信確認メッセージ」に関しては,過去の閣議決定などの経緯(下記参照)をふまえて,報告書案に「技術面で配意が望まれる事項」の一つとして追記された。デジコン委の前回の会議で配付された骨子案でもこの点は記載されていたが,具体的な議論はほとんどなかった(前回配布された骨子案(PDF))。また,ライセンス発行・管理機関については,前回の骨子案では「非営利であり透明性の高い法人」と記載されていたが,今回の報告書案では「放送事業者のほか,例えば,権利者団体などコンテンツ保護に係る事業者の団体や,エンフォースメントに係る技術や諸法令に関する有識者,消費者等が考えられる」とされている。

 生活経済ジャーナリストの高橋伸子氏は受信確認メッセージ機能について,「これを入れることで仕様の決定が遅れたり,運用コストが上がったり,公正な競争が阻害されたり,消費者の負担が増えるようなことがないという理解でよいのか」と質問した。主婦連の河村真紀子氏は,冒頭のように質問し,受信確認メッセージ機能に対応することで,新方式が導入の前提である「シンプルでコストが安い」方式から離れることを懸念した。これに対し,主査の慶応義塾大学 教授の村井純氏は,地上放送向けの受信確認メッセージ表示はあくまで検討段階であり,現在実施されていない現状を説明した上で,冒頭のように回答した。

 ライセンス発行・管理機関については,高橋委員から「ライセンス発行管理機関に取り組む関係者とは具体的に誰なのか。こうした機関の運営を監視する監査機関が別に必要なのではないか」といった質問が出された。これに対して村井主査は,「機器メーカーに対するエンフォースメントの契約者なので,放送事業者が主に担うことになる」と説明した。また日本放送協会(NHK)の藤沢秀一氏が,「技術WGの議論の中で,あえて放送事業者と関係者という形にした」と補足した。日立製作所の田胡修一氏は,「第三者による監視機関はやはり必要」と高橋氏の意見に賛意を示した。

 このほか注目の発言としては,NHKの元橋圭哉氏から,「(新方式導入)全体を貫くコンセプトはコンテンツへのリスペクトやクリエーター尊重,スケジュールや利便性も大事だが,エンフォースメント本来の役割であるコンテンツ保護がおざなりになってはならない」があった。

受信確認メッセージは,NHKが受信料徴収を促進するためにBSデジタル放送などで利用している現状がある。今回問題となったのは,2007年6月22日に閣議決定された「規制改革推進のための3か年計画」の中にある,「放送の完全デジタル化が完了した場合には、地上放送についても公平負担の徹底を図る観点から、何らかの『受信確認メッセージ』の実施可能性について検討する」との記述(計画書のPDF書類)。また,総務省が2007年6月から開催し,2008年7月4日に報告書を公表した「公平負担のための受信料体系の現状と課題に関する研究会」でも,「地上放送にも受信確認メッセージ機能を導入するという考え方も、今後の検討課題となり得るものと考えられる」(同報告書のp.20に記載,報告書のPDF書類)とされている。

訂正 掲載当初の記事は,デジコン委で主査の村井氏が,今回の新方式に「受信確認メッセージ」の機能を導入しないという意図を明らかにした,としておりましたが,これは記者の誤解による間違いでした。また,PC Onlineの報道(記事へのリンク)によると,2009年7月10日に行われた情報通信審議会の総会で,村井氏は新方式に「受信確認メッセージを出すためのメカニズムを組み込む」意図を改めて明らかにしたようです。読者および関係者にお詫びして訂正します。なお,記事中で誤解に基づく部分は修正済みです。

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