米VIZIO, Inc.は,VIZIO社らがデジタル・テレビを米国に輸入・販売することを禁止するという米国際貿易委員会(International Trade Commission:ITC)の決定を,米国のオバマ大統領が承認した(Tech-On!の関連記事)ことに関するコメントを発表した(発表資料)。ITCの決定は,船井電機の保有するデジタル・テレビ関連の特許(米国特許番号「6,115,074」)をVIZIO社ら11社が侵害しているとして,VIZIO社らがデジタル・テレビを米国に輸入すること,および米国で販売することを禁止したもの。

 VIZIO社は,「米国特許商標庁(United States Patent and Trademark Office:USPTO)は,米国特許番号6,115,074の有効性を認めない通知を発行しているため(同2),当社が同特許を侵害しているという主張はメリットがないと考えている」とコメントしている。さらに,同特許を侵害しているとされたVIZIO社の製品は旧型のもので,現在量産していないため,この決定がVIZIO社の事業に与える影響はほとんどないという。

 加えてVIZIO社は,同社の権利を守るため,あらゆる手段を取るつもりであることを明らかにした。同社は2009年6月10日に,米国連邦巡回控訴裁判所(United States Court of Appeals for the Federal Circuit)にITCの決定に関する控訴を行う予定。同裁判所には,上訴の判決が出るまでの間,ITCの排除命令の施行を延期する救済措置も求める考え。米国の税関国境警備局(Customs and Border Protection)に,同特許を侵害しない技術ソリューションの提出も行ったという。 VIZIO社のVice President of Operations and AdministrationであるRob Brinkman氏は,「我々は,この問題をできるだけ早く解決するために,米国政府のあらゆる関係官庁や部門と共に動いている」とコメントを寄せている。

 VIZIO社は現在,問題となった特許を侵害しない技術を用いたテレビを製造および流通させているという。このため,同社のテレビを引き続き顧客に供給できると考えているとする。