ゲーム・ソフトウエア・メーカーのテクモは2008年9月4日,同業のコーエーと経営統合に向けた協議を始めると発表した(PDF形式の発表資料1)。テクモは2008年8月29日,スクウェア・エニックスから買収の申し入れを受けていたが,これに賛同しないことも明らかにした(PDF形式の発表資料2Tech-On!関連記事1同2)。テクモは「有能な従業員の確保」「安定した開発環境の確保」「ブランドの維持発展」を検討した結果と説明している。

 テクモは「DEAD OR ALIVE」「NINJA GAIDEN」などの格闘アクション・ゲームを生み出し,欧米市場に強みを持つ。コーエーは「三國志」「信長の野望」など歴史シミュレーション分野に強く,アジア市場で高いブランド力を発揮している。今後,テクモとコーエーは経営統合に向けた協議の場として「経営統合委員会」(仮称)を設置し,議論していくとする。

 買収提案を断られたスクウェア・エニックスは,テクモに対して「買収提案に賛同しなかったのはコーエーとの経営統合に向けた協議を決定したためか」「そうだとした場合,コーエーとの経営統合の条件(統合の態様や統合の前提となる株価,統合比率など)が当社案よりもテクモ株主にとって有利であることを具体的に示してもらいたい」「コーエーとの件と提案拒否が関係ない場合,当社案よりもテクモ株主にとって有利になる代替案を具体的に示してもらいたい」との問い合わせをしている段階という。テクモから回答が得られ次第,対応方針を決定するとした。

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