図1 IPTVフォーラムが設置するワーキング・グループ
図1 IPTVフォーラムが設置するワーキング・グループ
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図2 IPTVフォーラムの今後の活動スケジュール
図2 IPTVフォーラムの今後の活動スケジュール
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 IPTVサービスの受信機およびサービス関連技術の仕様を策定・管理する法人「IPTVフォーラム」の設立が2008年6月24日に発表された。同社は,通信事業者や放送事業者,機器メーカーらで構成していた任意団体「IPTVフォーラム」(Tech-On!の関連記事)がまとめた技術仕様案を基にIPTVサービスの技術仕様を策定し,その仕様を管理していく。

 IPTVフォーラムが対象とするIPTVサービスとは,「市販のデジタル受信機を想定した,IP網を使う,主にHD映像を配信するサービス」(同社)である。放送型のマルチキャスト・サービス,VOD(video on demand)のストリーミング・サービス,ダウンロード・サービス,地上デジタル放送のIP再送信サービスなどの形態を想定しており,サービスや受信機(テレビやSTB,録画機など)がどのサービス形態の仕様に対応するかはサービス事業者や機器メーカーの選択に任せる。

 IPTVフォーラムに名を連ねた企業は,通信事業者4社(NTT,NTTぷらら,KDDI,ソフトバンクBB),放送事業者6社(NHK,テレビ朝日,テレビ東京,東京放送,日本テレビ放送網,フジテレビジョン),機器メーカー5社(シャープ,ソニー,東芝,日立製作所,松下電器産業)の計15社である。

 IPTVフォーラムは「まずは2008年8月末を目標に,最初の仕様であるバージョン1.0を策定していく」(IPTVフォーラム 技術委員会 主査でフジテレビの関祥行氏)。旧IPTVフォーラムが活動成果として示した仕様の7分野(VOD仕様,ダウンロード仕様,IP放送仕様,放送連携仕様,インターネットスコープ仕様,CDNスコープ仕様,IP再送信運用規定)に合わせてワーキング・グループを設置する(図1Tech-On!の関連記事)。

 最初に,新たな仕様案(バージョン0.95)を2008年7月前半までに策定する。その後,参加企業によるレビューや,知的財産権の確認などに伴う修正を経て,8月末にバージョン1.0を承認する計画である(図2)。2008年9月には技術仕様をWebサイトで一般公開する予定。その後は普及の促進や実用化に向けた試験への協力などに取り組む。また,IPTVサービスの国際標準を議論しているITU-Tに,IPTVフォーラムが策定した仕様を提案していくという。