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「角川が権利を持つ素材だけを使って編集した動画はOK」――角川デジックス 福田社長がユーザー投稿動画の掲載継続の基準を説明

山田 剛良=日経エレクトロニクス
2008/05/27 22:17
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角川デジックスの代表取締役社長 福田正氏
角川デジックスの代表取締役社長 福田正氏
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 「とにかく関連する動画は全部見て確認した。その上でアニメに関しては10種類に分類した」。

 角川デジックスの代表取締役社長 福田正氏が,2008年6月10日から,米Google Inc.の動画共有サービス「YouTube」と角川グループが連携して始めるユーザー投稿動画への広告掲載の枠組みについて説明した。福田氏は2008年1月25日に発表された角川グループとYouTubeの提携で,中心的な役割を果たしている人物である(Tech-On!関連記事1)。2008年5月27日に開催した日経エレクトロニクスと日経ニューメディア共催のセミナー「テレビはネットで変えられる」における同氏の講演で明らかにした(セミナーの詳細)。

 角川グループとYouTubeは,6月10日から8月末までの予定で,「夏の動画投稿ドリームキャンペーン」を始める(同社のプレスリリース)。このキャンペーンは一般ユーザーからYouTubeへの動画投稿を募り,一定回数以上閲覧されたユーザー投稿動画に対して,角川映画の特別劇場鑑賞券「ドリームチケット」をプレゼントするというのもの。ユーザーのオリジナル作品だけでなく,既存のアニメなどをユーザーが編集した,いわゆる「MAD動画」も対象とし,編集の素材になる動画コンテンツも同時に提供する予定だ。

 また,角川グループはこのキャンペーンを機に,ユーザー投稿動画に対する広告の掲載に踏み切る。キャンペーン応募作品のうち,特に優秀な動画に関しては別途,広告収益の一部を還元する考えもある。ユーザーが投稿した動画に広告を付加したり,利益を還元するという方針自体は,1月25日の提携発表時やその後,日経エレクトロニクスが福田氏に行ったインタビューでも明かしていた。だが,具体的な計画は明らかにしていなかった。

 ユーザー投稿動画への広告の掲載に先立ち,角川デジックスはYouTubeに投稿された自社が権利を保有すると思われる動画をすべて審査し,動画を削除するか,掲載を続行するかを判断するための基準を策定した。掲載を続行する動画は投稿者から了承を受けて角川グループが管理し,角川の「バッジ」をYouTubeの画面内に表示して広告を掲載する。今回の講演ではユーザー投稿動画を掲載続行する基準の一端も明かされた。なお,掲載続行の対象となるのは「角川が権利関係の責任を持てる動画だけ」(福田氏)である。

 アニメ作品に関してはユーザー投稿動画を10種類に分類した。そのうち,「短め(3分前後)でDVD化していない角川のアニメ作品本編の動画」,「アニメ主題歌を使ったダンスやコスプレなど,角川の著作物を一部利用してユーザーが創作した動画」,「素材のすべての権利を角川が有するユーザー編集動画」,「ユーザーが字幕を付加した動画」などに関しては,基本的に掲載を継続する方針を明らかにした。ユーザーの創作度が高い動画に関しては,広告収益の一部還元も行う。ただし,「基準は一律ではなく,動画を実際に見てケースバイケースで決める。条件に合っていても元作品の著者が嫌がる『愛がない作品』は削除する」(福田氏)など,試行錯誤しながら慎重に進める方針であるという。福田氏は,「今回作った基準はYouTubeに限ったものではない。どの動画サイトでも同じスキームを満たしてもらえれば協力する」と述べ,実際にニワンゴが運営する「ニコニコ動画」とも交渉を進めていることを明らかにした。

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