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「YouTubeで世界へ」,角川グループがYouTubeの積極活用に踏み切る

竹居 智久=日経エレクトロニクス
2008/01/25 15:16
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 角川グループホールディングスは2008年1月25日,米Google Inc.と共同で記者発表会を開催し,Google社傘下の米YouTube, LLCが運営する動画共有サービス「YouTube」における新規事業を展開すると発表した(図1)。「コンテンツは世界の共通語である。国際的なコンテンツ・プロバイダーを目指して,Google,YouTubeとの協力関係を生かしていく」(角川グループホールディングス 代表取締役会長兼CEOの角川歴彦氏)。


図1 記者説明会の登壇者。左から順に,角川デジックスの福田正氏,Google社のDavid Eun氏,角川グループホールディングスの角川歴彦氏,Google社Vice Presidentでグーグル 代表取締役社長の村上憲郎氏 (画像のクリックで拡大)

 角川グループは子会社の角川デジックスを中心に,Google社およびYouTube社が開発する動画識別技術の実証実験に協力してきた。これは映像の権利者があらかじめ登録した映像と,ユーザーがアップロードした映像とを照合することによって識別する仕組みであり,フィンガープリンティング(電子指紋)技術を用いる(Tech-On!の関連記事)。2006年末に開発を始めたもので,YouTube社は2007年10月にベータ版を公開していた。

 この実証実験で,「現在アップロードされている我々のコンテンツのほぼすべてを検知できる」(角川デジックス 代表取締役社長の福田正氏)水準まで達したことから,今回の新規事業に踏み切った。「『タダで我々のコンテンツが侵害されている。だから使われないようにしよう』と以前は私も思っていた。しかしYouTubeは,ユーザーがアップロードした映像が誰の著作物であるかを認識して,その映像で得られた収入を著作権者に分配するプラットフォームになり得る」(福田氏)と考えたという。

自動検知後に削除か継続掲載かを判断

 角川グループは,YouTube社に渡した参照データを基に角川グループのコンテンツのアップロードを検知する動画識別技術の運用を開始する予定である。角川グループのコンテンツがアップロードされたことを検知したら,角川グループがそのコンテンツを削除するか,権利を主張するマークを埋め込んで掲載を継続するかを判断する。掲載を継続する場合は,バナー広告や映像上に重ねて表示する広告「In Video Ad」を置いたり,DVDの販売サイトへのリンクを張ったりする(図2)。この広告で得た収入を著作者に還元するという。角川グループが所有するコンテンツをアップロードしようとしたユーザーには警告画面を出す(図3)。「コンテンツを載せたままにするか削除するかをコントロールする権限が我々に与えられたことが大きい」(福田氏)。


図2 角川グループの許可の下で掲載を継続したときの画面例。映像を表示するウインドウの右側に角川グループのコンテンツであることを主張するマークを表示し,広告を挿入したりする。映像に,透過型の広告を重ねて表示するYouTubeの新機能「In Video Ad」なども活用する (画像のクリックで拡大)


図3 角川グループが所有するコンテンツをユーザーがアップロードしようとすると,警告画面が表示される (画像のクリックで拡大)

 このほか角川グループは2008年2月に,YouTube上で同社の公式ページ「ブランドチャンネル」を立ち上げる予定。アニメ,エンターテインメント,映画などのチャンネルの構想を示した(図4)。さらに,優秀な創作者を発掘するためのキャンペーンを共同で展開するという。「日本の知財,創作者を大きく育てたい。YouTubeから生まれたスターやアカデミー賞作家が出てくるといい」(福田氏)。


図4 2008年2月に開設予定の,角川グループの公式ページの画面例 (画像のクリックで拡大)

 Google社は「ユーザーが面白いと思うコンテンツには,ビジネス・チャンスがある。そのビジネス・チャンスを生かす基盤として,日本のコンテンツ所有者を満足させられるものを構築できるだろう」(Google社 Vice President, Content PartnershipsのDavid Eun氏)とし,今後も国内のコンテンツ提供者との協力関係を築いていく考えを示した。

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