ドイツInfineon Technologies AGの2008年1月~3月期決算は増収増益だった(発表資料)。売上高は前年同期比7%増の10億4900万ユーロである。営業利益は4700万ユーロで,前年同期の損益ゼロから改善した。

 なお,この数字には,連結子会社のドイツQimonda AGの業績が含まれていない(Tech-On!関連記事1)。Infineon社はQimonda社を連結対象から外す方針で,2008年3月末をもってQimonda社の資産や負債を「売却用資産」に分類,Qimonda社の業績は決算上,「非継続事業の損益」として計上している。

 Automotive, Industrial & Multimarket事業の売上高は,前年同期と同等の7億4100万ユーロだった。税引き・利払い前利益(EBIT)は前年同期比17%増の6900万ユーロである。米国自動車メーカーの需要は停滞が続いているものの,高出力のパワー半導体の売り上げが好調だったという。

 Communication Solutions事業の売上高は前年同期比27%増の3億200万ユーロだった。米LSI Corp.から携帯電話機向けチップ事業を,米Texas Instruments Inc.からDSL加入者側装置事業を買収した効果などにより,大幅増となった(Tech-On!関連記事2同3)。EBITは2900万ユーロの赤字だったが,これも前年同期に比べれば1/2程度に縮減している。

 2008年度通期(2007年10月~2008年9月)の業績は,前年比で1ケタ台の増収増益を見込む。特に通信事業に関しては25~30%の増収となり,黒字化する見通し。HSDPAEDGEの関連製品の本格量産や,事業買収の効果などを好業績を予測する根拠としている。