ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の新型である「PSP-2000」と旧型の「PSP-1000」を分解した(Tech-On!の関連記事)。分解を終えた後,まずは基板を比較してみることにした。

 PSP-1000の基板は,PSP用のマイクロコントローラ「PSP CPU」などが実装されたメイン基板と,無線LANモジュールやメモリースティック用コネクタなどが実装されたサブ基板の2枚で構成していることが分かる。

図1.PSP-1000の基板(表)。サブ基板に無線LANモジュール(右側の基板の銀色部分)が実装されている。
図1.PSP-1000の基板(表)。サブ基板に無線LANモジュール(右側の基板の銀色部分)が実装されている。 (画像のクリックで拡大)

図2.PSP-1000の基板(裏)。メイン基板の裏側にはLSIがあまり実装されていない。サブ基板にメモリースティック用コネクタが実装されている
図2.PSP-1000の基板(裏)。メイン基板の裏側にはLSIがあまり実装されていない。サブ基板にメモリースティック用コネクタが実装されている (画像のクリックで拡大)

 PSP-2000では,無線LANモジュールとメモリースティック用コネクタはメイン基板に実装されている。サブ基板に残されたのは,ヘッドホンや新たに追加された外部出力用の端子のみである。

図3.PSP-2000のメイン基板(表)。無線LANモジュールはメイン基板の右側に実装されている
図3.PSP-2000のメイン基板(表)。無線LANモジュールはメイン基板の右側に実装されている (画像のクリックで拡大)

図4.PSP-2000のメイン基板(裏)。メモリースティック用コネクタはメイン基板の左側に実装されている
図4.PSP-2000のメイン基板(裏)。メモリースティック用コネクタはメイン基板の左側に実装されている (画像のクリックで拡大)

 無線LANモジュールの外形寸法は,PSP-1000では20mm×25mmであったのに対して,PSP-2000では11mm×16mmと小さくなっている。実装面積は従来比で約35%に小型化された。PSP-1000では無線LAN用LSIがバースバンド用とRF用の2チップ構成だったのに対して,PSP-2000ではそれが1チップに統合されている。

図5.PSP-1000(上)とPSP-2000(下)の無線LANモジュール。実装面積は約35%になった
図5.PSP-1000(上)とPSP-2000(下)の無線LANモジュール。実装面積は約35%になった (画像のクリックで拡大)

 基板の重さは,PSP-1000が31g(メイン基板とサブ基板の合計)であるのに対し,PSP-2000が24g(同)となり7g軽くなった。

マイクロコントローラと64Mバイトのメモリを1チップ化

 さらに基板を見比べていると,PSP-2000のマイクロコントローラの近くにメモリが直結していないことに気付いた。PSP-1000ではマイクロコントローラである「CXD2967GG」と,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.製のフラッシュ・メモリとシンクロナスDRAMを1つのパッケージに格納したMCP(multi-chip package)「K5E5658ACM」が直結している。PSP-2000は,マイクロコントローラの機能と,64Mバイトのメモリを1パッケージ化していると推測される。外形寸法は,ともに17mm×17mmであるが,PSP-2000の方は厚みが2倍程度ある。このことからマイクロコントローラにメモリを積層していると思われる。

図6.PSP-1000のマイクロコントローラ「CXD2967GG」(上)。韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.製のフラッシュ・メモリとシンクロナスDRAMを格納したMCPである「K5E5658ACM」と等長配線で結ばれている
図6.PSP-1000のマイクロコントローラ「CXD2967GG」(上)。韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.製のフラッシュ・メモリとシンクロナスDRAMを格納したMCPである「K5E5658ACM」と等長配線で結ばれている (画像のクリックで拡大)

図7. PSP-2000のマイクロコントローラ「CXD2975BGG」(上)。64Mバイトのメモリを内蔵していると推測する
図7. PSP-2000のマイクロコントローラ「CXD2975BGG」(上)。64Mバイトのメモリを内蔵していると推測する (画像のクリックで拡大)

【訂正】記事掲載当初,PSP-2000のマイクロコントローラ「CXD29758GG」と記載していましたが,「CXD2975BGG」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。記事は修正済みです。

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