ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「プレイステーション・ポータブル(PSP)」の新型である「PSP-2000」と旧型の「PSP-1000」を分解した(Tech-On!の関連記事)。分解を終えた後,まずは基板を比較してみることにした。
PSP-1000の基板は,PSP用のマイクロコントローラ「PSP CPU」などが実装されたメイン基板と,無線LANモジュールやメモリースティック用コネクタなどが実装されたサブ基板の2枚で構成していることが分かる。
PSP-2000では,無線LANモジュールとメモリースティック用コネクタはメイン基板に実装されている。サブ基板に残されたのは,ヘッドホンや新たに追加された外部出力用の端子のみである。
無線LANモジュールの外形寸法は,PSP-1000では20mm×25mmであったのに対して,PSP-2000では11mm×16mmと小さくなっている。実装面積は従来比で約35%に小型化された。PSP-1000では無線LAN用LSIがバースバンド用とRF用の2チップ構成だったのに対して,PSP-2000ではそれが1チップに統合されている。
基板の重さは,PSP-1000が31g(メイン基板とサブ基板の合計)であるのに対し,PSP-2000が24g(同)となり7g軽くなった。
マイクロコントローラと64Mバイトのメモリを1チップ化
さらに基板を見比べていると,PSP-2000のマイクロコントローラの近くにメモリが直結していないことに気付いた。PSP-1000ではマイクロコントローラである「CXD2967GG」と,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.製のフラッシュ・メモリとシンクロナスDRAMを1つのパッケージに格納したMCP(multi-chip package)「K5E5658ACM」が直結している。PSP-2000は,マイクロコントローラの機能と,64Mバイトのメモリを1パッケージ化していると推測される。外形寸法は,ともに17mm×17mmであるが,PSP-2000の方は厚みが2倍程度ある。このことからマイクロコントローラにメモリを積層していると思われる。
【訂正】記事掲載当初,PSP-2000のマイクロコントローラ「CXD29758GG」と記載していましたが,「CXD2975BGG」の誤りでした。お詫びして訂正いたします。記事は修正済みです。